小説『夢二夜』が『月刊群雛 (GunSu) 2015年01月号』に掲載! ―― 米田淳一さんインタビュー

作品情報&著者情報
『月刊群雛 (GunSu) 2015年01月号』発売中!!

『月刊群雛 (GunSu) 2015年01月号』には、米田淳一さんの新作小説『夢二夜』が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? インタビューをご覧ください。

―― まず簡単に自己紹介をお願いします。

 YONEDENこと米田淳一(よねた・じゅんいち)です。『月刊群雛』ではいつもお世話になっております。
 SF小説『プリンセス・プラスティック』シリーズで商業デビューしましたが、自ら力量不足を感じ商業ベースを離れ、シリーズ(全14巻)を完結させパブーで発表中。他にも長編短編いろいろとパブーで発表しています。KindleストアやBCCKSでもがんばっていこうと思いつつ、現在事務屋さんも某所でやっております。でも未だに日本推理作家協会にはいますし、また、鉄道模型なんかを作るモデラーなこともしてます。
 ちなみに『プリンセス・プラスティック』がどんなSFかというと、1997年に発表した女性型女性サイズの戦艦シファとミスフィが要人警護の旅をしたり、高機動戦艦として空や宇宙をびゅんびゅん飛び回る話です。というわけで艦船好き女の子好きで、当然『艦これ』好きです。でも戦艦シファは、自分が作ったのに、もっと好きです。
 でも、その戦艦シファがなんと、海賊の頭領に乗っ取られ、宇宙を飛ぶ最凶最悪の殺戮兵器となって人類を滅ぼしてしまうという話をこの『月刊群雛』に2014年11月号まで連載で書いちゃったんです。ヒドイ。
 ですが、今回は、またSF短編です。

◆公式サイト:『モデラー推理・SF作家米田淳一の公式サイト・なければ作ればいいじゃん・2nd』
(アメブロはしんどいので更新はお引っ越ししました。もとのアメブロも残しますが)http://hokkyumaker.blogspot.jp/

―― この作品の内容を簡単に紹介して下さい。

 今から地続きのようなちょっとした未来に、ヒッグス粒子の研究をしている物理学の研究者が見る、大晦日の夢と大晦日から元日にかけての夢を軸にした、ちょっとおめでたい話を目指しました。
 そして、とある研究から現実世界が分岐していって、少しずつうちの遠い未来の『プリンセス・プラスティック』世界につながっていく話です。大枠の『プリンセス・プラスティック』で描いた、今から分岐していく物理学史をもとにしています。ですので、混乱なきようご注意ください。

―― この作品を書いたきっかけを教えて下さい。

 初夢をテーマにひたすら迎春のおめでたい話を目指しました。

―― この作品はどんな人に読んで欲しいですか?

 SFが好きな人に読んで欲しいです。SFムラからは疎外されてても、やっぱりSFが私は好きなんです。結果作品がSFじゃないといわれても、私SF 、それも勝手にプログレSFだと言いはります。それぐらい、SFそのものが好きなんです。

―― この作品の執筆にはどれくらい時間がかかりましたか?

 案外時間がかかりました。アイディア自体を「年末年始号に書きたい!」と思ったのは11月頃。割とすぐに「夢」というモチーフで思いついて、構成も1日で固まったんですが、問題はそこからでした。
 どうにもピリッとしない。たるんだ感じ。
 ずるずると時間だけがすぎる中、お勤め仕事がきっかけで、なぜかVisual StudioのC#でのコンピュータープログラミングに手を出しました。いやC#は、面白い、と思って2日ぐらいでいろいろ作れそうになったのです。
 そのとき気づいたんです。
 とくに変数の代入のときに、変数の「型」が一致しないというエラーが出た時にです。
 あ、小説、とくにショートショートみたいなのは、厳密に、イメージを、プログラムみたいに、「型の一致」や「変換」を意識してないと、締まった話にならないんだな、と。
 そのことが分かるまで、結果、1カ月半まるまるかかりました。

―― この作品を書くにあたって影響を受けた作家や作品を教えて下さい。

 落語の「芝浜」です。あと故・立川談志(たてかわ・だんし)師匠にも影響受けてると思います。あの人はすごく頭が良くて、スパッとした考えの切り返しを決めるのはすごくカッコ良かったですね。実は幼いころはテレビで見て、なんかややこしそうな落語家だな、と思ってたんです。すごく失礼で済まなかったのですが。
 でも、それからいろいろ歳を取るごとに、なるほど、と思わされるあの鮮やかさ、魅力に強くひきつけられていくようになりました。
 物事の味がわかるようになるのは、歳を取ることの楽しみだと思っています。その分体力は衰えますが……。徹夜2日ぐらいで音を上げるとは。無理ができなくなったなあ。

―― 注目している作家がいたら教えてください。

 いっぱいいすぎて、個別に上げるのもどうかと思いますが、でも特にこの『月刊群雛』で書いてるみなさんには注目してます。いろんな可能性があって面白い。

―― 今後の活動予定を教えてください。

 前回に続き、『プリンセス・プラスティック』の早川版5巻、講談社版のリメイク一巻を含んだ14巻シリーズを電子書籍としたうえで、内容を強化した「HD版」として出し直すのが、まず現状での大目標です。
 今のところ早川で出した5冊目『ハリアー・バトルフリート』に続き、オンデマンドで発表した6冊目『デカップルドディフェンス』、ようやく大幅増補改訂を実施してHD版として再発表しました。ぜひよろしくです。

『デカップルドディフェンス』ランディングページ
http://shipha-bnx072-6.tumblr.com/

 といいつつ、その後が進んでない……。まずいなあ。7冊目『ナウト・ナウト』はデビュー作のリメイクでもあるので。ああ、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ(古い)。
 あと、この『月刊群雛』の別冊に『記念運転』という短編の掲載をお願いするつもりです。これもおめでたい話です。こっちはもう書き上がってます。

 新年は頑張っていこうと思ってます。特に良き書き手としての前に、良き読み手でありたいと強く思います。読む力がなければ、書く力も向上しないし、特に読むだけじゃなくて、それをレビューすることで整理しないと読んだうちに入らなくてダメだな、と思う2014年でしたから。
 いまのところ『月刊群雛』が出るたびにレビュー書いてます。書きすぎもあるかもと思いますが、がんばってこれも続けたいなと。毎回少し自重しようというのもありですが(すまん)。
 というわけで、よろしくです。


米田淳一さんの新作が掲載されている『月刊群雛 (GunSu) 2015年01月号』は、BCCKSではDRMフリーEPUB(およびBCCKS独自形式)とオンデマンド印刷版(紙本)を、楽天Kobo・BOOK☆WALKER・iBooks Store・BookLive!・Reader Store・紀伊國屋書店Kinoppy・ブックパス・eBookJapan・Kindleストアでは電子版を頒布しています。下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。

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