小説『夏のかけら』連載第2回が『月刊群雛』2015年10月号に掲載! ── 作品概要・サンプルと幸田玲さんインタビュー #群雛


『月刊群雛』2015年10月号

『月刊群雛』2015年10月号には、幸田玲さんの小説『夏のかけら』連載第2回が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプルとインタビューをご覧ください。





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作品概要


達也たつやは、綾香あやかから要望のあった工事内容の修正案と見積金額の変更を受け入れ、六月の第一土曜日、正式な契約を会社で結んだ。
 それに伴って本格的な工事計画が動き出し、達也は事務所のパソコンと向き合い、住宅改装のプランを練る日々を過ごすようになった。綾香と打ち合わせのために会い、彼女の勤め先の店舗にも足を運ぶことで、仕事上の関係を深め始めるようになっていく。そんなある日、打ち合わせのために指定された喫茶店で待っていた達也は、約束の時間に遅れて来た綾香の異変に気が付く。


夏のかけら


◆第二話◆
 見積書を郵送してから十日が過ぎて、綾香あやかから携帯に連絡が入った。話は、工事内容の変更と、それに伴う見積の増額の相談だった。
 数日後、達也は綾香の携帯に連絡を入れて、工事内容の修正案と見積金額の変更を受け入れる旨を伝えた。そして六月の第一土曜日、正式な契約を達也たつやの会社で結ぶことになった。
 契約の当日、綾香は叔母を伴い工務店を訪れた。厳しい工事金額だっただけに、契約が結ばれた書類に目を通した達也は、胸をなで下ろし、ふっと、ため息を漏らした。
 綾香に連絡する前日、見積の算定額で叔父と意見が分かれた。
 工事金額で折り合いが付かなければ、綾香を説き伏せることはできない。達也は無理をしてでも、この仕事を受注したかった。万が一、赤字が出るようであれば、自腹を切る覚悟を叔父に伝えた。
 叔父は不満をあらわにしたが、達也の熱意に打たれたのか、最終的には折れて、承認の印鑑を付いてくれた。
 次週の火曜日の午後、アジアン・カフェで会う約束をしていた達也は、当日、商店街を歩いて店に入った。
 綾香は、裏庭のテーブル席に座っていた。達也の姿を認めると、手を上げて応えた。
 達也は晴れ渡った青空を見上げた。六月にしては、気温は比較的に高いほうだ。
 テーブル席に着いた達也は、アイス・コーヒーを注文した。綾香の表情は、穏やかだった。工事の契約を終えたことで、一安心したのかもしれない。
 雑談していると、やや、強めの風がふいた。
 綾香の黒髪は揺れ、エスニック調のワンピースのひだがわずかになびいて、白い太ももが少しだけあらわになった。
 達也はさりげなく、視線をそらせた。すると、細い足首をおおっているキャメル色のサンダルが目に映った。あの夏の日、千尋ちひろが履いていたサンダルと同じ型のもののように思えると、また、視線を移した。
 綾香は気付いた様子でもなく、マサラ・ティの入ったカップをテーブルに戻すと、
「ずいぶん、頑張ってもらったわねって、叔母が言っていました」
 と、うれしそうに言った。
「正直、工事費については頑張りました。ただ、以前にもお話したように、私のほうも田所たどころさんに手伝ってもらうことが前提になります……」
「わかっています。足手まといにならなければいいけど」
 綾香は、瞳をらして言った。
 千尋の目の色に似たまなざしを見つめていると、息苦しさを感じる。
 しばらくアジアン・カフェで過ごし、祖母の家に向かった。

※サンプルはここまでです。


幸田玲さんインタビュー


── まず簡単に自己紹介をお願いします
 はじめまして、幸田 玲(こうだ・れい)と申します。
 自営業の傍ら、小説を書いています。生業とインディーズ作家の活動で、兼業を目指していきます。
 ボイスドラマにも関心を寄せていますので、公開している掌編小説の中から取り上げた作品を、自ら脚本化し、業界の方の協力で二本のボイスドラマを制作して、公開しています。

◆寄稿先 :『小説家になろう』
http://mypage.syosetu.com/134346/

◆Twitter :(@bestplanning)
https://twitter.com/bestplanning/

◆Google+ :
http://plus.google.com/115744212482287321693/

── この作品のターゲットはどんな人ですか
 色々な年代層の男女の読者様に読んでいただきたいと思っています。
 性別、年代層によって、受け止め方は様々だと思いますけど。

── 作品の宣伝はどのような手段を用いていますか
 ツイッターで、定期的に宣伝しています。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
 注目している作家のひとりに、山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)氏がいます。
 主に、時代小説を描いた作家でした。没後49年が経った現在も作品は読み継がれ、ミクシィにも山本周五郎のコミュニティがあり、1945名の方が参加されています。
 氏は、権威を嫌う姿勢から一切の文学賞を固辞し続けました。
 直木賞辞退の弁として、「読者から寄せられる好評以外に、いかなる文学賞もない」という、名言を残しています。

── 今後の活動予定や目標を教えてください
 いずれ、電子書籍の販売を開始して、インディーズ作家の活動で兼業を目指す予定です。また、今後もボイスドラマのプロデュースをしていきたいと考えています。

── 最後に、読者へ向けて一言お願いします
 読者様の心を揺さぶることができるような、物語を描きたいと思っています。
 精進してまいりますので、よろしくお願い致します。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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