NPO法人化1周年を記念して2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に!

日本独立作家同盟は5月26日、NPO法人化から1周年を迎えました。日頃のご愛顧とご助力に、心より感謝いたします。NPO法人化1周年を記念して、2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に値下げしました。ぜひこの機会に、過去の『月刊群雛』を振り返ってみてください。

小説『月曜日のコントローラー』が『月刊群雛』2015年10月号に掲載! ── 作品概要・サンプルと和良拓馬さんインタビュー #群雛

『月刊群雛』2015年10月号

『月刊群雛』2015年10月号には、和良拓馬さんの小説『月曜日のコントローラー』が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプルとインタビューをご覧ください。





縦書きで読む


BiB/iの起動まで時間がかかる場合があります。Internet ExplorerとFirefoxでは縦中横指定が効かず横転します。月刊群雛 2015年08月号サンプル



横書きで読む


作品概要


 スポーツから生み出されるドラマの作り手は、プレーヤーだけとは限らない。ピッチを見つめる視線が多ければ多いほど、付け足される筋書きも増えていき、ゲームに思わぬ意味が付与される。だからこそゲームと時を同じくして流れている、もう一つのドラマを映し出すのは面白いのではないだろうか──
 今回の舞台は月曜日の神宮球場。淡々と自分の投球を続ける「エース」と、平日の昼間なのに野球を観に来た「とある親子」。ダイアモンドとスタンド内で繰り広げられた、「コントロール」の行く末とは?


月曜日のコントローラー


 一般的に土曜日と日曜日は休日だが、世の中にはそんな日も職務に従事しなければならない人間がいる。サラリーマンとして大人しく、会社から与えられた当番業務をこなす。憂鬱だ。
 その一方で、休日出勤した人間には他の曜日に休みを振り替える権利が発生する。シフトの都合にもよるが、平日の割にはイベントの多い水曜日や金曜日、あるいは月曜日を休みにして日曜日との連休にするのがベターな振り替え方だと思っている。
 平日が休み。この設定だと、普段の生活では隠れてしまっているものが見えてくるのだ。

 6月8日は月曜日だった。その日は昼間から明治神宮野球場にいた。プロ野球はやってないし、東京六大学はもう終わったのでは? と不思議に思うスポーツファンもいるだろう。
 いや、神宮はまだまだ野球の香りで溢れている。六大学が終わったら、間髪入れずに全日本大学野球選手権が始まる。全国各地のリーグ戦を制覇した26の大学が頂点を目指し、1週間に及ぶトーナメントを戦い抜く。秋の明治神宮野球大会と並び、大学野球界の日本一を決める格式高い舞台だ。

 この日が大会初日で、トーナメントは1回戦。神宮にいる観客はまばらだった。プロ野球ならば手を出し難いバックネット裏の内野席も、今日なら1200円でゆうゆう独占できる。最高の場所は、時に容易に得られるのだ。
 近くのファミリーマートで買った缶ビールを開けて、喉の奥へと流し込む。最高だ。天気は少し曇り空が目立つが、ビールを美味しく感じられるほどの気温があった。
 周辺の高層ビル群にいる連中は、憂鬱な一週間のスタートを切った事だろう。
 でも、この場所にいる人間は違う。月曜日を思うがままに支配している──

 この日の第2試合は西南学院大対城西国際大だった。前者は55年ぶりに九州六大学野球リーグ戦を制し、久々に晴れの全国大会出場となった。3塁側のスタンドには遠路はるばる福岡から応援団が押し寄せ、雰囲気も上々だ。先発の下津しもつうら啓太はリーグ戦の最多勝とMVPをダブル受賞。名実ともにこのチームのエースである。
 後者は大会初出場。こちらの先発は米谷真一。かつて子役俳優として活躍し、とある野球映画にも重要な役柄として出演していたと、昨日見たネットの記事に書いてあった。ちなみに、その時の役柄はキャッチャーだったそうだ。
 試合は予想通り投手戦でスタートした。下津浦は四球が多いのが玉にキズだが、それを埋める重い直球と多彩な変化球で相手打者を翻弄する。一方、米谷はサイドスローから丁寧なコントロールで厳しいコースを突き、凡打の山を築いていった。両極端な個性を持つ投げ合いは、まさに玄人好みの展開になった。

※サンプルはここまでです。


和良拓馬さんインタビュー


和良拓馬

── まず簡単に自己紹介をお願いします
 こんにちは。和良拓馬(わら・たくま)です。『月刊群雛』は5回目の出場となります。
 今年は例年にないくらい野球を追いかけている気がしております。最近のオススメ選手は北海道日本ハムファイターズのブランドン・レアード内野手です。三振やエラーが多く、打率も2割前後。でも、ジャストミートした瞬間、ゆっくりと弧を描き外野スタンドへと静かに消えていく美しい放物線は、まさにお金を払って見る価値がある一発だと思いました。来年も何とかチームに残留して頂き、東京ドームの2階席から彼の勇姿を見守りたいものです。
 ……えーっ、話がそれてすいません。普段からそんなノリでスポーツエッセイを記したり、インディーズ作家の本を中心にブクログにて書評も行ったりしています。これからも「書く」と「読む」のバランスをしっかり保った、楽しいセルフパブリッシング生活を続けていきたいところです。

◆ブログ:『ラグビー選手になりたかった』
http://will-be-rugby.blogspot.jp/
◆Twitter:
https://twitter.com/Waratas/
◆ブクログ:『こんなの読んでしまいました』
http://booklog.jp/users/waratas/

 また、『月刊群雛』7月号のインタビューでぼそっと答えたセルフパブリッシングの新作ですが、8月7日に『挑戦者にも喝采を』というタイトルで発売しました。スポーツの世界における「挑戦者たち」の奮闘を描いております。よろしくお願いいたします!

◆『挑戦者にも喝采を』
http://cheersevenchallenger.tumblr.com/

── この作品を制作したきっかけを教えてください
 最初はいつも通りエッセイの体で書いていたのですが、どうもティン! とこない部分があったので、フィクションの力を借りてみようと思いました。その発想のあとに「本線:実際にあったスポーツの試合」+「複線:フィクションのドラマ」という構図で物語化していきました。ただ本作に関しては、エッセイと小説の割合は7:3くらいです。

── この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください
 小説にしよう! と思いついてからもう一度読み直しているのは山田太一(やまだ・たいち)さんとビートたけしさんの作品です。中学から高校にかけて結構読んでいましたね。というか、新潮文庫が全然電子書籍化されていない事を初めて知りました……。

── この作品のターゲットはどんな人ですか
 野球が好きな皆様。あと、今回に限って言えば、休日出勤を強いられて休みが不定期な方々が共感して頂けないかなあ……(笑)

── この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか
 土台のエッセイを本作のようにアレンジした期間は3日間くらいです。

── 作品を制作する上で困っていることは何ですか
 まだまだ時間の使い方で躓いています。とある資格の勉強と平行して執筆業もしているのですが、朝と夜のフリータイムをどう割り振っていくのかを見直したいところです。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
 複数の作品を買ったインディーズ作家を挙げます。王木亡一郎(おうき・ぼういちろう)さんの文体とテンポ、澤俊之(さわ・としゆき)さんのシリーズ構成力、初瀬明生(はせ・あきお)くんの引き算の巧さ、晴海まどか(はるみ・まどか)さんのキャラクター造形を見習いたいです。

── 今後の活動予定や目標を教えてください
 「らせん式ドラマロジー入門」でストーリーづくりを勉強し、爆速レビューの次くらいに『月刊群雛』のレビューをアップしていきます!

── 最後に、読者へ向けて一言お願いします
 \横浜優勝!/


和良拓馬さんの作品が掲載されている『月刊群雛』2015年10月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。