無名の個人作家が利用可能なプロモーション手段のざっくりまとめ[改]


スピーカー

本を作る手段や、配信(無料)・販売(有料)するためのプラットフォームはいろいろあります。しかし、無名の個人作家が最も困るのは、自分の作品をどのように宣伝していけばいいのか? という点でしょう。ストアに登録しただけでは、さっぱり売れないのです。

本稿では、個人作家が利用可能なプロモーション方法について、無料のものから有料のものまでざっくりとまとめてあります。2013年9月23日に書いた同名記事のアップデート版です。




1. SNSを利用する


SNSは基本的に無料のサービスなので、誰もが手軽に使える手段です。他の方々との距離が非常に近いメディアなので、手売りに近い感覚だと捉えると分かりやすいでしょう。



どのSNSを使うべき?


ICT総研の「2015年 SNS利用動向に関する調査」によると、日本で利用率が高いSNSは以下のとおりです。



利用率的には、LINEが圧倒的です。しかし、基本は1対1か、せいぜい数名でのチャットがメインの「閉じたネットワーク」であり、不特定多数に向けたプロモーションには不向きです。プロモーションに使うとしたら、メルマガに近い感覚で利用できる「LINE@」を使うといいでしょう。

TwitterとFacebookは利用率が3割を超えており、不特定多数に向けたプロモーションがやりやすいサービスです。また、広告も利用可能で、比較的安価です。無名の個人作家が利用するSNSとして適しているのは、一般的にはまずこの2つです。

Google+、Instagram、mixi、Pinteresttumblr.pixivなどは、利用率はそれほど高くないですが、SNSとしての特性が異なるため、ユーザー層があまり重なっていません。写真に強いInstagram、イラストに強いpixivなど、自分の得意分野に合わせて利用するといいでしょう。



SNSの問題点は?


SNSをプロモーション目的で利用する際の問題点は、自分の投稿を見る目的で繋がってくれた人(フォロワー)を増やすための地道な努力が必要な点です。最初は誰もがフォロワーがいない状態からスタートしますが、その状態のまま投稿しても読んでもらえる可能性は極めて低いです。

また、SNSはフロー型メディアと言われており、たくさんの投稿が文字通り「流れている」状態になっています。たくさんフォローするほど、フォローした人がたくさん投稿するほど、流れは速くなります。つまり、見落としやすくなってしまいます。



ではどうすれば?


一朝一夕にフォロワーは増えません。フォロワーを増やすには、自分の発信する情報に興味を持ってもらう必要があります。投稿だけが自分の発信する情報ではありません。例えば、他者から最初に見られるのは、プロフィール画像と名前です。次に、プロフィール文や、直近の投稿です。

この辺りを掘り下げていくと長くなるので詳細は省きますが、根本的には他者にとって何かしら有益な情報を発信し続けることです。面白い、可愛い、なごむ、笑える、ホッとする、役に立つ、興味深い情報を発信し続けている人の周囲に、人は自然と集まってきます。



拡散は希望するものではない


オープンなSNSにはどれも「リツイート」「シェア」といった、投稿を拡散してもらうことによってフォロワー以外にも届けられる手段が用意されています。ただ、拡散してくれるかどうかはフォロワー次第です。投稿に「拡散希望」と書いても、拡散してもらえるとは限りません。

例えば、いつも役に立つ投稿をしている人が、たまに「この投稿は、ぜひ拡散して欲しい!」とお願いするなら、効果はあるでしょう。しかし、毎日のように「拡散希望」していたら、「またか」と思われるだけです。他者にアクションを望むなら、何か見返りが必要です。「与えよ、さらば与えられん」です。



2. ブログを利用する


ブログも、大半が基本サービスは無料、オプションが有料という形なので、手軽に使える手段です。書いた記事は蓄積されていくストック型メディアなので、ベースキャンプとかホームグラウンド的に利用するのがいいでしょう。

HTMLタグ、CSS、JavaScripなどを用いて、SNSより複雑なことができるのも利点です。主なブログサービスは以下のとおりです。



基本サービス(無料)で、HTMLの編集やJavaScriptの利用に制限がないところを挙げてあります。販売プラットフォームやSNSなどは、ブログに貼り付けるコード出力機能(ブログパーツ)を用意している場合が多いためです。例えば、制作・配信・販売プラットフォームの「BCCKS」では、JavaScriptコードを貼り付けることによって以下のような表示が可能です。




どのブログを使うべき?


はてなブログは、電書ちゃんが使っているからか、個人作家の利用者が増えています。「クリエイターのためのはてなブログ」というアピールもしています。

livedoorブログはすべての有料プランを撤廃し、最上級プランの機能・サービスを全ユーザーへ無料開放しました。本の制作環境のことも考慮に入れると、記事がEPUBで出力できるというのは魅力的です。

FC2ブログは規制が緩かったので成人向けコンテンツが強かったのですが、捜査の手が入ってから厳しくなり、利用者が流出しています。先々のことを考えると、あまりオススメできません。

このブログはBloggerを使っています。非常に自由度が高く、検索流入(SEO)にも強いです。ただ、カスタマイズには相当知識が必要です。また、運営元のGoogleはエロに不寛容なので、成人向けコンテンツを扱うなら避けた方がいいでしょう。

tumblr.は、ブログとしても使えるという点がユニークなので、この項でも挙げておきました。電書ちゃんの「でんでんランディングページ」は、tumblr.のテンプレートを活用しています。

システムに詳しい方であれば、サーバーをレンタルして、WordPressを使うといいでしょう。最もカスタマイズできる手段です。



ブログを読んでもらうには?


SNSと同様にブログも日々の地道な積み重ねが重要です。つまり、他者にとって何かしら有益な情報を発信し続けるしかありません。ブログを始めて数ヶ月で月間100万PVなんて、まずあり得ない話です。

ブログが読まれる経路には、SNSなどで拡散されることによる瞬発的なアクセスと、Yahoo!やGoogleといったサーチエンジンからの検索キーワードによるアクセスがあります。SNS(フロー)とブログ(ストック)の両方を運用すると、相互補完が図れます。



3. 宣伝・告知サービスを活用する


無料サービス


販売プラットフォーム以外で、宣伝や告知を手伝ってくれるサービスやウェブサイトもあります。例えば「電書ちゃんねるプラス」は、Kindleダイレクト・パブリッシング楽天Koboライティングライフ限定ですが、誰でも新刊情報やキャンペーン情報を配信できます。



一部有料サービス


電子書籍サーチ」と「電子書籍献本サービス「KENPON」」は、どちらもふじいまさなりふじーにょ @fujinyo)氏が運営しているサービスです。

電子書籍サーチは、複数の電子書店を横断検索できるサービスです。基本的に情報は自動登録されているのですが、著者自身の手で修正することが可能です。表紙画像を入れたり、概要文やカテゴリの修正、著者自身の情報などが登録できます。2冊目以降の登録は、有償会員向けとなります。

電子書籍献本サービス「KENPON」は、電子書籍作品の告知・PRを目的とした献本配信サービスです。配信対象は電子書籍サーチの登録会員で、最大100名まで献本できます。献本を希望した会員には、先着順で自動的に書籍ファイルが送信されます。1回980円(税別)ですが、希望者がいない場合は請求されません。



有料サービス


Google AdWords」と「Yahoo!プロモーション広告」は、どちらも有料のいわゆる「リスティング広告」です。検索エンジンで入力されたキーワードを元に、表示された広告のクリック数に応じて料金が決まります。予算の上限設定なども可能なので、比較的低予算で効果的な宣伝広告を行えます。ただし、キーワードの選び方や、表示する宣伝文句にも工夫が必要です

これらのリスティング広告は、「Gene Mapper」の藤井太洋氏が、ブレイクする前のプロモーション手段として用いていたのは見逃せません。ただ、2015年5月に行われた日本独立作家同盟のセミナーで登壇した藤井太洋氏は、「最近ならリスティング広告よりも、Facebook広告Twitter広告の方が効果的だろう」と言っていました。

いずれにしてもお金のかかる話ですから、タイミングを見計らって効果的に用いるべきでしょう。Kindleストアを始めとする販売プラットフォームには「ランキング」があり、ランキング上位になると目立ちやすいため、販売数が飛躍的に伸びる傾向があります。リリース直後に利用しランキング入りを狙う、というのがいいのかもしれませんね。


[posted by 群雛ポータル編集部]