小説『一小路真実は興味がない』連載第1回が『月刊群雛』2015年12月号に掲載! ── 作品概要・サンプルと晴海まどかさんインタビュー #群雛


『月刊群雛』2015年12月号

『月刊群雛』2015年12月号には、晴海まどかさんの小説『一小路真実は興味がない』連載第1回が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプルとインタビューをご覧ください。





縦書きで読む



※サンプルEPUBはBCCKSの詳細ページでダウンロードできます。



横書きで読む


作品概要


 私の名前は一小路いちこうじ真実まみ。高校生になったはいいけど、どうにもこうにも肩透かし。図書委員になっちゃったし? ほかにやることないしさー、なんて言い訳しつつ、静かな図書室に入り浸る平穏な毎日。
 そんな五月のある日の放課後。クラスメイトの間宮まみや優樹ゆうきが、私の平穏をぶち壊しにやってきた。
「一小路さんって、俺のこと好きなの?」
 んなわけあるかー!
 って感じだったのに、気がつきゃ間宮のお手伝い、謎のラブレターの送り主を探す羽目に。そんなのまったく興味ないってゆーのにさ!

 ……というわけで、ややテンション高めにお送りしております。一小路真実シリーズ第一話です。
 記憶力のよい群雛読者さんの中にはお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、『月刊群雛』2014年09月号掲載の『体育館倉庫chattering』と同じシリーズになります。
 『体育館倉庫chattering』は七月のお話なのですが、今作は五月のお話。というわけで、今作は二人の出会い編みたいな感じです。

── 日常系学園ライトミステリー連載開始!

一小路真実は興味がない ~引きこもり図書委員とラブレター~


1.手紙の理由
 まったくもって、私はそんなものには興味がないのに。
 貸出カウンター越しに身を乗り出したその男子生徒は、唐突に私に訊いてきた。
一小路いちこうじさんって、俺のこと好きなの?」

          ◇

 五月現在。私の高校生活の三割くらいは、図書室が主な舞台となっている。残りの七割はもちろん、我が一年A組の教室だ。つまり私は、自分の教室に行って、放課後になったら図書室に行く、そんな毎日を送ってる。
 四月になって、念願のハマみなみ高──稲浜いなはまみなみ高校の略だ──に入学して早一ヶ月。特に強い希望があったわけじゃないけど、私はクラスで図書委員に就任した。図書委員は、放課後に本の貸出・返却をするカウンターの当番があって時間を取られることもあって、最後まで決まらなかったのだ。みんな部活やらなんやら放課後はお忙しいようですが、対する私は完っ全なる暇人。いいですよいいですよいっちょやってやりましょう、みたいな流れで図書委員になった私なので特別に本好きってわけじゃなかったけど、気がつきゃほぼ毎日図書室に入り浸り。当番かどうかなんてもはや関係ない。今じゃ、図書委員の中でも『ぬし』だなんて呼ばれてる。響きはちょっと偉そうだけど、力なんて何もないってことだけは断っておく。
 古い紙の匂いに満ちた図書室は、静かで、穏やかで、常に時間がゆるやかに流れてく。そんな空気に染められて、最近の私の心は仏かってくらいに平穏そのもの。さっきも言ったけど私はもともとそんなに本を読む方じゃなかったし、図書室や図書館にはあんまり縁がない方だったんだけどさ。ちょっと、価値観変わったね。図書室、意外や意外に素晴らしい。私なんかに褒められても嬉しくないかもだけど、ちょっと見直した。こんな私の心まで、まっ平らに凪いじゃうとは、意外とやるじゃん。
 そんなわけで。ゴールデンウィークも終わった五月の頭。私は静かな図書室で、いつもどおり、平穏にゆるやかに放課後を過ごす予定だったのだ。山本さんと鈴木さんと佐藤さんが三人続けて本を返しに来てなんか面白いなとか、小説コーナーにカタブツっぽい村山むらやま先生がいるなんて珍しいなーとか、図書室でいちゃつくなこのバカップルが! とかとか、若干の人間観察をしたりしてさ。
 なのに。
「ねぇ、話、聞いてる?」
 私の平穏をぶち壊さんとしている男子生徒が一人。彼は先ほどから、謎の手紙を私に突きつけ続けていた。その手紙の文面は、こんな風に始まる。

ユウキさんへ

 桜も散ってすっかり暖かくなって、気持ちがいい季節になってきましたね。なんて、手紙っぽい書き出しで始めてみました。手紙って、何回書いても少し緊張しますね。ユウキさんに届くものだと思うとなおさらです。

※サンプルはここまでです。


晴海まどかさんインタビュー


晴海まどか

── まず簡単に自己紹介をお願いします
 晴海まどか(はるみ・まどか)です。オンライン上ではウサギに擬態していますが人間です。
 『月刊群雛』では編集として毎号参加していますが、2015年08月号以来の作品での参加です。最近は校正の仕事をしながら日々小説を書いています。

 個人出版でもたくさん本を出していますが、以下は電子書籍レーベルから発売されている本です。三十以上の国内電子書籍ストアで配信中!

〈impress QuickBooks〉
◆『明日が雨でも晴れでも』(『ライトなラノベコンテスト』特別賞):
http://suny-or-rainy.tumblr.com/
◆『髪の毛探偵 石神くん』シリーズ(1巻は無料配信):
http://ishigami1.tumblr.com/

〈あの出版〉
『月刊群雛』2015年08月号まで連載していた『ギソウクラブ』が、一冊になって装い新たに電書レーベル「あの出版」から発売になりました! 表紙や挿絵のイラストやデザインも素敵なので是非ダウンロードしてみてください!
◆『ギソウクラブ』
http://gisoclub.tumblr.com/

◆公式サイト:『白兎ワークス』
http://whiterabbitworks.wordpress.com/
◆ブログ:『原点回帰―Running possible―』
http://mfineocean.hatenadiary.jp/
◆Twitter(@harumima)
https://twitter.com/harumima/

── この作品を制作したきっかけを教えてください
 主人公が毒舌&ツンデレで、かつテンションが高めの話を書きたいと思ったのがきっかけです。
 男性向けライトノベルに出てくるようなヒロインには共感できることが少ないので、自分が共感できるラインのヒロインを目指しました。そういうわけで、いわゆる「かわいい系」女子ではありませんが、自分の心内語に近い感じの語り口の主人公になっています。

── この作品のターゲットはどんな人ですか
 少女漫画が好きな方です。イケメンが出てきて無条件にヒロインのことが好きで甘やかすようなタイプの作品がお好みであればなおよいです。
 あとは、寡黙じゃないタイプのヒーローが好きな方に。「言わなくてもわかるだろ」的な男性の主張にイラっとしたことがある女性の欲求を満たすため、今作のヒーロー・間宮くんは思ってることを包み隠さずしゃべります(しゃべりすぎて胡散臭くなるのが玉にキズ)。

── この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか
 プロット&執筆で二週間くらい、書き上げて推敲したのち、約一年間寝かせていたので、今回連載用に大幅に加筆修正して調整しました。というわけで推敲期間もトータルすると二カ月くらいです。
 実は一年前に掲載した『体育館倉庫chattering』よりも前に書きあげたまま放置していた作品でして、外に出す機会を窺っていました。

── 作品を制作する上で困っていることは何ですか
 資料や参考にしたい本がたくさんあるのですが、読むのがあまり早くないことです。読みたい本もたくさんあるのですがなかなか追いつかず、床の上や電書アプリの本棚に積ん読が溜まっていってます。本はいつから積むものになってしまったのでしょうか。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
 前述の「イケメンが出てきて無条件にヒロインのことが好きで甘やかすようなタイプの作品」でいうとこんな感じでしょうか。すべて女子向けの漫画です。
・天乃忍(あまの・しのぶ)『ラストゲーム』
・葉月かなえ(はづき・かなえ)『好きっていいなよ』
・如月ひいろ(きさらぎ・ひいろ)『溺れる吐息に甘いキス』
・藤村真理(ふじむら・まり)『きょうは会社休みます。』

── 2015年に読んだ書籍ベスト3を教えてください
 「ベストセラー」「今話題」と書かれているとまず流行っている時期には読まないという、私が今年読んだ書籍のベスト3はこちらです。
・『ダレン・シャン』シリーズ(全十二巻) ダレン・シャン/橋本恵(はしもと・めぐみ)訳
http://www.amazon.co.jp/dp/B009HPEAR8/
 コミカライズを見かけて以来ずっと気になっていて今年読破。バンパイアの皮肉な運命を描いたシリーズですが、とにかく六巻と九巻の衝撃が半端ありません。読破した勢いでコミカライズも購入。こちらもよかったです。


・『マトリョーシカ大図鑑』 沼田元氣(ぬまた・げんき)
http://www.amazon.co.jp/dp/4576101269/
 ロシアの人形「マトリョーシカ」の写真が多数収録されているだけでなく、事細かに分類し、地域ごとの特徴まで解説した本。とにもかくにも超カワイイ! マトリョーシカを求めてロシアの地を旅してみたくなる一冊。


・『校正のこころ 積極的受け身のすすめ』 大西寿男(おおにし・としお)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00VAVM6I2/
 校正者だけでなく、文章を書くあらゆる人に読んでほしい一冊。おかげで言葉を選ぶことをさらに考えるようになりました。書き手であれば、SNS含め、文章を発信するとはどういうことなのかを考えるべきだなぁとも。


── 今後の活動予定や目標を教えてください
 色々作品を書いていきたいです。その周辺活動として、電書界隈でもがんばっていこうという感じです。
 あと、この『一小路真実』シリーズは、単純に書いてて楽しいので合間合間に息抜きがてら作品を増やしていきたいなぁと思ってます。日常ものなので、いつの話をどのタイミングで読んでも大丈夫な感じで書いていきたいです。

 最新情報はブログや公式サイト、Twitterでアップしています。よかったら覗いてみてください。

── 最後に、読者へ向けて一言お願いします
 今回は全三回なので短期集中連載といった感じです。テンション高めに参ります!
 第二回もよろしくお願いします!


晴海まどかさんの作品が掲載されている『月刊群雛』2015年12月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。




≪ 感想 ≫