小説『尾張名古屋共和国』が『月刊群雛』2015年12月号に掲載! ── 作品概要・サンプルとよたかさんインタビュー #群雛


『月刊群雛』2015年12月号

『月刊群雛』2015年12月号には、よたかさんの小説『尾張名古屋共和国』が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプルとインタビューをご覧ください。





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作品概要


 オリンピックで日本中が一喜一憂してた時、日本を変えるために密かに動き出す男たち(一部女子)が居た。そして名古屋は近隣の街をも巻き込んで独立宣言をする。通貨は? 自衛隊は? 領事館は? 国際条約は? そもそも名古屋独立の目的は何なのか?
 名古屋の独立と同時に行われる岐阜県南部の再開発。山の中に作られる巨大都市の目的は? そして、この開発を指示しているのは誰?
 今まで“革命”を起こさずに成長してきた日本は、この独立で次のステージへ進む事ができるのか、是非あなたの考えを、声を、聞かせてください。


── 新しい日本は、おわりからはじまる

尾張名古屋共和国


・2017年某日、銀座の某喫茶店
 愛知選出の衆議院議員『村河むらかわたける(40歳男)』は、宮内庁の若手官僚『島井成政とりいなりまさ(25歳男)』から会いたいと連絡を受けた。特に縁もなく、紹介もなかったし、断ってもよかったが、人と会うのも仕事だと割り切り、快諾した。
 しかし呼び出されたのは、銀座の裏通り、狭い間口の喫茶店。雰囲気こそ良いが、政治家の打ち合わせに相応しいとは思えない。
 軽く見られている気がして、村河は少々不愉快だった。そのうえそこには、若い官僚と中年男の2人だけ。少し後悔をした。
 しかし手狭な部屋へと通されて『宮本直継みやもとなおつぐ(48歳男)』と名乗る中年男が「ご内密に……」と前置きして語ったのは、すぐには信じられない話。だけどとても重大な内容だった。
 恐怖心を悟られないように押し隠し「どうして私にそんな話をするんだ?」と村河が聞くと、若い官僚は真剣な表情を一層硬くしてこう言った。
「村河さん。来年の名古屋市長選に、出馬してください」

 翌年、村河は国会議員を辞職し名古屋市長に立候補し『名古屋を中心に尾張特区の設定と完全自治構想』を公約に、与党の推薦と各団体の支援を受けて市長になった。

・2018年7月某日 岐阜県美濃地方
 岐阜市の企画会社社長『梶木美咲かじきみさき(26歳女)』は、中央自動車道を軽ワゴン車のアクセルをベタ踏みで、客先のゴルフ場へ向かった。
 最近は電話にも出てくれないので、暇な平日の午前中に、突撃営業をしかけた。
「CHUBU-WORLD エンターテイメントです」美咲が事務所に入ると、オーナーの他に知ってる顔がいた。朝日高校の同級生で、東京の大学を卒業し、国土交通省に入省した『羽田はだ勝茂かつしげ(26歳男)』だ。
「おぉ美咲。久しぶり。元気だった?」「なんとか生きてるわ」
 打合せがうまく行って、オーナーはとても上機嫌。営業は今しかないと、Webサイトのリニューアルを提案。しかし「ゴルフ場はもう閉鎖」と軽く断られた。
 羽田がもちかけた『ゴルフ場の買収』が決まったらしい。オーナーは満面の笑みで2人を昼食に誘った。
 クラブハウスの中で昼食をとる。コースが一望できて、見晴らしがいい。でもテーブルクロスは色あせて、料理もレンジでチンばかり。価格がファミレスの倍で不味かったら、会員は離れて当然。他もそうだろうと美咲は想像をした。

※サンプルはここまでです。


よたかさんインタビュー


よたか

── まず簡単に自己紹介をお願いします
 名古屋でWeb制作の仕事をしております「よたか」です。実は10年前までマニュアル以外の本はほとんど読んでいなかったのですが、たまたま見たアニメの『十二国記』にハマり、続きが気になって小説を読むようになりました。ですから、他の方と比べると絶対的な読書量が少ないのです。
 書きはじめたのは5年ほど前から。最初は好きな作品を真似て書いていたのですが、視点とか、描写とか考えていくと違う気がしてきたので、まだまだ試行錯誤している最中です。
 今までの著作ですが、アダルト作品はさておき、癲癇てんかんとイジメをテーマにした『保健室で昼食を』、少年兵について書いた『世界が変わる時』、サッカーをやっていた息子に対する懺悔『サッカー少年マニュアル』、ネット詐欺と引蘢りを書いた『サーバールームと引籠る蜜蜂』などをKindleストアで販売しております。

◆ブログ:『あっちこっちけいいち』
http://blog.hanamarl.com/
◆Twitter:@yotaca
https://twitter.com/yotaca/

── この作品を制作したきっかけを教えてください
 『月刊郡雛』に掲載したいと思って、いろんなプロットを書いていたのですが、Facebookでたまたま「名古屋は独立宣言します」と書いてしまってから、どうしても名古屋が独立する話を書きたくなったんです。
 ちなみに、締切り10日前だったのでプロットとか、資料集めとか結構ギリでした。この1週間ほとんど本業やってません。

── この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください
 中学校の頃読んだ、星新一(ほし・しんいち)の短編、小野不由美(おの・ふゆみ)の『十二国記』、有川浩(ありかわ・ひろ)の『図書館戦争』などです。(以上敬称略)

── この作品のターゲットはどんな人ですか
 できたら現名古屋市長です。あと若手官僚の方々や、ネット上で活発に議論している人達に読んでいただいて、ネタにしていただけると嬉しいです。
 盛り込める要素はまだまだあったのですが、下調べの時間がなかったので断念しました。その部分を議論していただけると、ネタとして面白く膨らませる事ができると思っています。

── この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか
 プロットに5日くらい。下書きで2日。この時点で3万文字近くあったので、推敲しながら2日でかなり削りました。ココで一眠りして文字校やって完成。
 合計9日間です。大掛かりな話の割に短かったと思います。

── 作品の宣伝はどのような手段を用いていますか
 もっぱらTwitterとFacebookです。ブログでもやりますが、有料配布に繋がらないので積極的にはやってません。
 アダルト作品は、出会い系サイトの日記や掲示板でプロフィールまで誘導すると結構売上げが上がりました。

── 作品を制作する上で困っていることは何ですか
 まず取材、資料集めです。書く場所の風景や空気感が気になるので、できれば取材して、最低でも納得できる資料を集めて書きはじめたいと思っています。ネットで調べられる事は“誰でも知っている”ので、そのまま使うのは抵抗があるんです。
 次に、脳みその切り替えです。仕事では、作っているプログラムの世界観に浸りきってコードを書いているので、書いている小説の世界観に切り替えるのに時間がかかってしまうんです。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
 まず小説を書くキッカケになった野村美月(のむら・みづき)の『文学少女』、一冊くらいはと思って読んだ村上春樹(むらかみ・はるき)の『海辺のカフカ』、本を読むキッカケをくれた小野不由美の『十二国記』、必ずハッピーエンドになるので安心して読める有川浩の『三匹のおっさん』。まだありますがいずれまた。(以上敬称略)

── 今後の活動予定や目標を教えてください
 いま書きかけてる長編を書き上げる事。わりと要望の多い『サッカー少年マニュアル』の続編を書く事。何にせよもっと多くの人に読んで貰える作家になりたいです。そして、世界が変わるような作品が書きたいです。

── 2015年に読んだ書籍ベスト3を教えてください
・『狼と香辛料』 支倉凍砂(はせくら・いすな)
http://www.spicy-wolf.com/
 お金の為の戦争が続く現代、あらためて読み返しました。商人の金銭感覚で、単純な奪い合いの戦争を無くすのが、ロレンスの望みだったはず。商人たちはどこで間違えたのでしょうか?



・『植物図鑑』 有川浩
http://www.amazon.co.jp/dp/4344419685/
 どっぷり有川さんの世界に引き込まれてしまいました。ありそうな日常にラノベ的展開、優しいけど影のある男。何があっても有川さんだから、安心して最後まで読めました。来年公開される映画に期待してます。


・『新釈 走れメロス』 森見登美彦(もりみ・とみひこ)
http://www.amazon.co.jp/dp/4396335334/
これまた新作でなくて申し訳ない。過去の話を解釈しなおして書きたくなった時に、参考にしようと読みはじめました。原作をリスペクトしたパロディーは、原作を読みたくなるほど魅力的なんですね。


── 最後に、読者へ向けて一言お願いします
 読んでいただきありがとうございます。最近感じてる閉塞感を題材にしたかったのですが、面白く書けなかったので保留してました。
 でも、このような機会をいただき、鷹野さんの書き込みからヒントを貰いましたので、勢いに任せて『尾張名古屋共和国』を書かせていただきました。偶然かもしれませんが誘導されているような気がするんです。なんて、スピリチュアルな作品も書きますので、今後ともよろしくお願いいたします。


よたかさんの作品が掲載されている『月刊群雛』2015年12月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。