小説『パトリシア』が『月刊群雛』2015年12月号に掲載! ── 作品概要・サンプルと浅野佑暉さんインタビュー #群雛


『月刊群雛』2015年12月号

『月刊群雛』2015年12月号には、浅野佑暉さんの小説『パトリシア』が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプルとインタビューをご覧ください。





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作品概要


 ヒューマノイドの研究が進んだ近未来、プロトタイプとして生まれた「パトリシア」は生みの親の「博士」と共に暮らしている。パトリシアが生まれ、ヒューマノイドと人間が共存する社会は近づいているかに見えたが、そのパトリシアにひとつの「欠陥」が見つかった。当初設計されていた寿命よりも早く機能停止するという不具合。ある日博士はパトリシアに「花を育ててみないか」と尋ねた。博士の思惑の真意とは……?


── ヒューマノイドが手記を綴る理由とは……?

パトリシア


 わたしは「わたし」という存在を遺す為に手記という形で日々を綴ることにした。この一文を読んだ人は何がなんだかと思うだろう。そういう訳で自己紹介というものを簡潔に書いてみようと思う。わたしの名前はパトリシア、一言で説明するとヒューマノイド、もしくはアンドロイドと呼ばれる存在。未だ研究の真っ最中である為、わたしの存在は世間に公表されておらず、博士を始めとする研究者しか知るものはいない。
 博士、というのはわたしを生み出した、いわば「父」のような存在で、現在は生活を共にしている。この手記に名前を出していいか訊いたところ、恥ずかしいからやめて欲しいと言われたので、今後も博士と記すことを付け加えておく。
 手記、と最初に述べたがどのように記述するか未だに迷っている。書き始めては消去の繰り返しで、ここまで書くのにも時間を要した。色々と検討した結果、博士と過ごした日々で印象深いエピソードを綴っていくことに決めた。
 わたしがこうして書き綴るのには理由がある。近い将来、わたしが機能停止してしまうことが判明したからだ。

 ヒューマノイドは不老不死の存在ではない。機械の身体である以上、部品の交換やメンテナンスが必要不可欠であり、補修用性能部品の保有期間という制限は当初から定められていた「運命」だ。しかし、わたしを動かす「心臓」が当初の設計より遥かに早く機能停止することが判明した。心臓の停止はわたしの「脳」を停止することにも繋がる為「死」が訪れるということにもなる。心臓部分の修復は現時点でかなり厳しい。複雑な構造ということもあり、修復には莫大な費用と人員を要し、決して多くはない研究者を修復に割くことになる。
 設計当初は「わたし」のバックアップも検討されていたが、仮に別の身体へ移植してもそれは「わたし」の複製に過ぎない。いわばクローン人間と同様で、世論の反発も懸念されたからだ。わたしのような存在が生まれた現代でも、クローン人間への反感は少なくない。
 もし複製されたら、と思ったことは当然ある。しかしそれは本当に「わたし」なのだろうか。この手も、脚も、材質や形は同じであっても「わたし」なのか、と。そうした考えの答えに辿り着けないと分かっていても夢想してしまうのは人間も同様だろう。
 わたしの「死」に関してはここまでにする。これ以上書いていると纏まりのない文章になってしまう。いくら手記とはいえ、ある程度の体裁は保ちたい。今日はどれだけ書くか分からないが、少しは明るい話題も盛り込みたい。博士は自宅で花を育てているのだが、その話題に移そう。

 アルストロメリア。

※サンプルはここまでです。


浅野佑暉さんインタビュー


浅野佑暉

── まず簡単に自己紹介をお願いします
 浅野佑暉(あさの・ゆうき)と申します。pixivをメインとして活動を始めました。作品の整理が済み次第、今まで書いてきた作品は随時pixivの方へアップしていく予定です。まだまだ未熟者ですがどうぞ宜しくお願いします。

◆pixiv:
http://pixiv.me/yuxuki_a

◆Twitter:
https://twitter.com/yuxuki_a/

── この作品のターゲットはどんな人ですか
 老若男女問わず、幅広い層に読んでもらえたら嬉しいです。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
 月村了衛(つきむら・りょうえ)先生の『機龍警察』シリーズです。作品の絶妙な「バランス」感覚は活字ならではのものであると感じています。

── 2015年に読んだ書籍ベスト3を教えてください
・『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』 松尾豊(まつお・ゆたか)
http://www.amazon.co.jp/dp/4040800206/
 一般読者に向けて分かりやすく書かれていながら、内容は濃密で「人工知能」というものに対してぼんやりとしたイメージを持つ人が読むとその「ぼんやり」が明確なものになる一冊。


── 今後の活動予定や目標を教えてください
 SNSを用いた宣伝を積極的に行っていきたいと考えています。


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