更新日:2016年3月2日

どんな情報も鵜呑みにしないこと ── インディーズ作家のためのSNS活用術〈5〉

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[posted by 鷹野 凌

インディーズ作家(※)に役立つショートコラム第5回は、Twitterに限らずソーシャルメディア全般の利用における、主に情報の受け手としての心得について。いわゆる「情報リテラシー」についての話です。


※私は、伝統的な出版手法である取次・書店流通を「メジャー」、それ以外の手段を「インディーズ」と定義しています

ちょっと待て、それほんと?


誰でも気軽に投稿できるのが、ソーシャルメディアの利点です。それは同時に、嘘・大袈裟・紛らわしい話も、いともたやすく混在することを意味します。ところが、ソーシャルメディアで流れてきた情報を即座に「これは嘘だ」「誇張されている」と判断するのは、実は誰にとっても非常に困難なことです。

つまり、どんな情報も鵜呑みにせず、まず「それほんと?」と疑ってかかる姿勢が必要となります。例えば、感動する話、泣ける話、笑える話、理不尽な話、怒りを覚える話。Twitterならリツイート、Facebookならシェアで、フォロワーに拡散したくなりますね。気持ちはわかります。でも実は、よくできた話ほど、作り話であることを疑った方がいいです。「感動したらシェア」なんてことが書いてあったら、ますます怪しい。リツイートやシェアする手を止めて、一度調べてみましょう。


マスコミ報道は信用できる?


新聞やテレビなどのマスコミ報道ですら、間違っていることは結構あります。メディアによって、主張にも偏りがあります。例えば、読売、産経、朝日、毎日、日経の五大紙を読み比べると、同じ事件の記事でもかなり切り口が異なることがわかります。だから、マスコミ報道を読み解く上での心得として、「複数の情報源でチェックすべし」ということが昔からよく言われてきました。

インターネットの普及にともない、「マスコミが信用できない」と言う人を以前より多く目にするようになりました。ところが「マスコミが信用できない」ことへの反動からか、インターネットにこそ真実があると思い込んでしまう人がいます。もちろんそうとは限りません。インターネットにも、間違った情報はたくさんあります。

例えば「マスコミはなぜ報じないのか!」という主張を見かけたら、新聞やテレビのウェブサイトでそのトピックについて検索してみてください。多くの場合、記事が見つかるはずです。調べもせずに「なぜ報じない」と断じる人は、結構多いです。「複数の情報源でチェックすべし」というのは、マスコミ報道に対してだけではなく、ソーシャルメディアを流れる情報にも言えることです。


専門家だって間違えたり嘘をついたりする


ソーシャルメディアでは、さまざまな分野の専門家も情報発信しています。もちろん適切な情報を発信している方も大勢いますが、安易に信じ込むのも実は危険です。専門家だって間違えることはあるし、自分にとって都合がいいことだけを発信する場合もあります。ナントカ水を高値で売りつけるために医者がその肩書きを悪用し、健康に関する嘘情報を流しているような事例を見かけたこともあります。

学術論文には「査読」という制度があります。同じ分野の他の専門家が評価・検証した論文でないと、権威ある学術雑誌には掲載できないのです。しかし、そういうチェックをすり抜けてしまい、あとで発覚して「世紀の捏造事件」として大騒ぎになるようなケースもあります。つまり、専門家だという肩書きだけで、ソーシャルメディアに投稿している内容が正しいかどうかは判断できないということです。もっと言えば、専門家だというプロフィールが捏造である可能性だってあります。


間違えたとき、どう対処するかでチェックすべし


肩書きではなく、普段の言動がどうなのかをチェックした方が、信頼できる相手なのかどうかを判断しやすいです。完璧な人間などいません。誰でも間違えることはあります。問題は、間違えたときに、どう対処するか、です。

私は、素直にゴメンナサイが言える人は、信頼できると思っています。逆に、間違いを認めず屁理屈を並べる人や、こっそり修正や削除してあたかも間違いが存在しなかったかのように振る舞う人は、より疑ってかかるようになります。間違いを指摘されているのに無視する人は、論外です。

これはマスコミでも同じです。間違った情報を流したとき、どう対処するか。取り消し線を使って間違った部分を明確にし、謝罪と訂正文を入れるメディアは信頼できます。こっそり修正するメディア、間違えた記事をそのまま放置するメディアは信頼できません。

情報の真偽を判断する上で、「誰が言ったか」より「何を言ったか」を重視すべき、ということがよく言われます。しかし私は、「何を言ったか」の積み重ねが、「誰が言ったか」の判断材料になると考えています。情報を鵜呑みにせず疑ってかかる姿勢とともに、情報発信源の信頼性もチェックしていくといいでしょう。


信用できない情報源を視界から消し、自分の信頼度を高める


この人の言動はおかしいとか、このメディアの情報は怪しいといったことが続くようであれば、ミュートしたりフォローを外したりして、視界に入れないようにすることをおすすめします。ソーシャルメディアでは、どの情報源をチェックするかは、自分自身で編集できます。そうすることによって、自分がおかしな情報を拡散しないよう努めましょう。その積み重ねが、他者からの信頼度を高めることにもつながるはずです。


次回のコラムは、SNSでの炎上と表現の自由についてです。


〈続く〉

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