NPO法人化1周年を記念して2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に!

日本独立作家同盟は5月26日、NPO法人化から1周年を迎えました。日頃のご愛顧とご助力に、心より感謝いたします。NPO法人化1周年を記念して、2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に値下げしました。ぜひこの機会に、過去の『月刊群雛』を振り返ってみてください。

かわせひろし『太陽のホットライン』連載第2回作品情報&著者情報(『月刊群雛』2016年04月号掲載)

『月刊群雛』2016年04月号

『月刊群雛』2016年04月号には、かわせひろしさんの小説『太陽のホットライン』連載第2回が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。



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作品概要


 千葉県柏市のプロサッカークラブ、柏レイスターズのU-12セレクションは、二次、三次と進む。持ち味を出してそつなくこなす光に対して、太陽は不慣れなポジションに配置されたりして苦戦。それでも何とか最終テストまで、光とともに進むことができた。そしてやってくる運命の合格発表。連載第二回!


── 未来をつかめ! 本格サッカーストーリー

太陽のホットライン 黄色のサッカーボーイズ


  二 合格不合格
 礼央れおはやがて泣くのをやめ、落ち着きを取りもどした。
 でもまだ、目と鼻の頭は赤いまま。くやしさと悲しさが入り混じった顔をして、それでも気丈に、おれの分までがんばってくれ、そう言い残して帰っていった。
 同じような姿が、ぽつぽつと見られる。そして泣くまではいかなくても、肩を落としている子は大勢いた。何しろ一次で半分以上落とされたのだ。五人で来て一人しか落ちていない太陽たいようのチームは、優秀な方だ。
 発表後のその光景は、合格した子供たちの間にも、少し神妙な空気を残した。
「さあみんな、昼飯にしよう。食べないと、午後がんばれないぞ」
 中島なかじまコーチが声をかける。このまま午後に二次セレクションがあるのだ。
 お弁当を食べながら、ひかるがポツリと言った。
「絶対、受かりたいね」
 そう言いながら、はしで玉子焼きをつついている。あまり食は進んでいない。
 三十メートル走の時には光がはげましてくれたんだから、今度は自分の番だと、太陽は思った。
「光はだいじょうぶだよ。ウチで一番うまいんだから!」
 お世辞ではない。本当にそう思っているのだ。光のボールあつかいのうまさには、太陽はかなわない。他のチームにも、光ほどうまい子はそうはいない。ウチのチームで受かるとしたら、まず光だ。それに自分がついていけるかどうか。
 太陽のまっすぐな瞳を見て、光は照れくさそうにはにかんだ。
「ありがと。太陽も行けると思うよ。三十メートル走の時、レイスターズのコーチがびっくりしてたもん」
「そうかな……えへへ」
 光にほめられて、太陽も照れた。
「よし、しっかり食べて、午後もがんばろう!」
「うん!」
 ようやく光は食欲がわいたようで、がつがつとお弁当をかきこみはじめた。
 光はレイスターズにすごく入りたがってるもんな。
 太陽には、光の気持ちがよくわかった。
 光が前に住んでいたところは、小学生が通えるような距離に、プロチームがなかった。引っ越しが決まって、プロのアカデミーがある所に行けると聞いて、大喜びだったのだそうだ。
 しかもレイスターズは、プロリーグの優勝や、天皇杯、リーグカップでの優勝と、実績十分の強豪チーム。さらにアカデミーでの育成にも定評がある。毎年プロ選手を出していて、日本代表になってワールドカップに出場した選手までいるのだ。
 それを知った光は、もう絶対入りたいと心にちかった。
「おれ、レイスターズに入って、プロになりたいんだ」
 初めて会った太陽に、会ったその日に、そう告げるほどだった。

※サンプルはここまでです。


作品情報&著者情報


 こんにちは、かわせひろしです。『太陽のホットライン』連載第二回をお送りしました。いかがでしたでしょうか。
 そしてこの原稿を書いている時点では、まだJリーグが始まっておらず、そちらの結果も気になります。僕のひいきチームで、この作品を書くにあたりモデルとした柏レイソルは、いかがなってるんでしょうか。
 さて、物語の中ではU-12セレクションが進みました。このお話を書き始めたころ、セレクションの様子を一度見ておこうと、取材に行きました。たくさんの子供たちがテストを受けに来ていました。地元に定着している感じがあっていいですね。
 作中ではドラマチックさ優先ということで実際とは少し変えてあるのですが、ミニゲームのくだりは見たままです。ちょうど僕の目前のグループの中に、一人目立つ子がいました。
 技術もさることながら、視野が広く非常によく指示の声が出ていて、チームをまとめていた水色のジャージの男の子。大人びた落ち着いたプレースタイルなのに、その声がまだ声変わりしていなくてとてもかわいいのが微笑ましかったので、応援しながら見ていました。
 あの子は受かったのかなあ。
 日本全国津々浦々で、小さな太陽や光たちが、明日のプロサッカー選手を目指しています。がんばってほしいなと思います。

かわせひろし
かわせひろし

 漫画家として活動し、『ケッタ・ゴール!』(ポプラ社刊)連載後、小説家に転進。第十一回ジュニア冒険小説大賞を取って、『宇宙犬ハッチー 銀河から来た友だち』(岩崎書店刊)でデビューしました。
 セルフ・パブリッシングも同時に進めていて、E☆エブリスタさんで『君の守護者』を連載しています。

◆ブログ:かってに応援団
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◆Twitter:
https://twitter.com/kawasehiroshi/

かわせひろしさんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年04月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。