菊地康之固有正弦波『拡張妄想力の掟』作品情報&著者情報(『月刊群雛』2016年04月号掲載)


『月刊群雛』2016年04月号

『月刊群雛』2016年04月号には、菊地康之固有正弦波さんの小説『拡張妄想力の掟』が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。



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作品概要


 動脈硬化を起こした既存の政治体制の打破のため、国の浄化が始まっている。捕まる異能力者と、捕まえる異能者。『蒸気下着者スチームぱんつ』の主人公は仕事の果てにどんなビジョンを視るのか。


── パーリーピープル 対 童貞妄想力!

拡張妄想力の掟


「文学は終わった、と言われているが、言われながらもまだ続いているし、延々とこれからも続くだろう。どう終わって、どう終わってないのか。これは『終わったことをネタにして続いている』のである。終わったことをネタにして続いているのは生命維持装置をつけられて生きているのと同義で、それは冷笑的に視られ、全ての生も死も当事者以外にはポップで軽い。軽く済まされる、軽んじられるのは織り込み済みで延命する他はない。生は死にとって相対的なものでしかなく、死は生にとって相対的なものでしかない。死んだか死んでないか判然としないところを面白がっているようなものだ。生と死が等価である以上、そこに相対的ではない絶対的な価値など存在し得ない。それはどこまでもポップで、泡のように弾けて消えて、即座にまた新しいものが生まれる転生の世界だ。かくして文学は終わり、且つ文学は続いている」
「そしてまた全ての政治形態も出尽くし、動脈硬化を起こし、機能不全となった。そこで、敗戦国の『人工国家』であるここ邪蛮じゃばんで戦勝国連合は新たな実験をしている。まずはそのため、この国の病巣であるとされたサイコキネシス能力者狩りが行われているのである」

 サイコキネシス防疫隔離規定により、僕はこの隔離病棟に押し込められた。サイコキネシスは、『童貞』にしか使えないらしい。童貞らしい純朴な『妄想』を現実の『力』に変換する『オーギュメンテッド・チェリー・リアリティ』が危険視された世の童貞の中の一握り、サイコキネシス能力保持者は、その能力の危険性が故、隔離されるのだ。リトマス試験紙と呼ばれるえっちぃ本を見せられ、反応してしまった僕は即座に連行された。大体『防疫隔離』って言葉自体がおかしい。どうすればいいのやら。っていうか童貞がダメならえっちぃことさせてくれればいいんじゃねーの、と思っていた矢先、僕の住む邪蛮国は新たな実験場にされていることを知る。敗戦国って言ったって、それ、七十年くらい前の話だぜ? アホなんじゃねーのか。なんで実験場になったというのを知らされたかというと、「有望な妄想力を持つ」サイコキネシス能力保有者『蒸気下着者スチームぱんつ』と認定されたかららしい。スチームぱんつとは、スチームパンクというサイエンスフィクション用語からのもじりらしい。
 ……まあ、「有望な妄想力」というのは、僕の持つこのサイコキネシス、つまり妄想でモノを動かす能力……、これが当局によって「使える」と判断され、実験に駆り出されたことを意味するのだ。駆り出されるというのは要するに、防疫隔離施設を出た僕は、これからアサシンとして活動するということで、それしか道はないのだった。

※サンプルはここまでです。


作品情報&著者情報


菊地康之固有正弦波(きくちやすゆきこゆうせいげんは)
菊地康之固有正弦波(きくちやすゆきこゆうせいげんは)

── まず簡単に自己紹介をお願いします
 みなさん、はじまして。菊地康之固有正弦波と言います。ネットではペンギンディスコという他名義でも活動しています。小説書きとボカロPとしての活動がメインでして、主な主戦場は現在、noteという創作系SNSです。作曲したものを動画にして、現在はFC2で公開しています。マイページはないのでけどね。少し前まで別名義でニコニコ動画にもいましたが、現在更新はしていません。
◆note:
https://note.mu/mejamoo/
◆Twitter:
(@mejamoo)ペンギンディスコ
https://twitter.com/mejamoo/
(@HilitekairouBot)
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◆Taskey:
http://taskey.me/users/mejamoo/
◆はてなブログ:『ペンギンディスコ戦記(改訂版)』
http://penguindisco.hatenablog.com/

── この作品を制作したきっかけを教えてください
 去年(2015年)の一月頃に書いていた200枚くらいのライトノベルが諸事情により発表先がなくなってしまい、どうにか出来ないかとずっと思っていたんです。それで今回、その200枚を10枚に圧縮してみた、というのがこの作品です。取っつきづらい仕上がりにはなりましたが、それはそれでハードSFぽくていいのでは、と個人的には思っています(笑)。

── この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください
 グレッグ・イーガンです。イーガンの作品って、セクシャリティの問題が全面に押し出ます。SFの領域を拡張させるのに大成功してますよね。そこを見習って書きました。

── この作品のターゲットはどんな人ですか
 SFものや異能力好きで、そして下世話な話にリアリティを感じてしまう地下街の人々ですね。

── この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか
 一日。パーツは全部出来ていたので。

── 作品の宣伝はどのような手段を用いていますか
 基本、Twitterです。はてなブログも、最近宣伝用に始めましたけど。noteの「トークノート」も、読んでくれる方が多いので役立ってます。

── 作品を制作する上で困っていることは何ですか
 遅筆なのと、資料の読み込みのペースが遅いことです。あと、田舎に住んでいるので、トレンドには疎くなってしまいますねー。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
 鎌池和馬(かまち・かずま)氏と西尾維新(にしお・いしん)氏のお二人の執筆ペースの速さには、うっとりしてしまいます。

── 今後の活動予定や目標を教えてください
 執筆活動を「続けていく」ということそれ自体が目標です。小説はこんなダメな僕を救ってくれた。だから今度は僕が恩返しする番です。ライフワークなんです、執筆は。

── 最後に、読者へ向けて一言お願いします
 書物、というものは、持ち運ぶことが出来ます。いつだって、バッグやリュックに忍ばせて、自分と一緒に旅をすることが出来ます。いつもそばにいてくれる存在。それが書物。本を持って、外の世界を旅出来たら、きっと人生がもっと面白くなる! 執筆家としてじゃなく、ひとりの読書好きとして、の言葉になっちゃいますが。……あ、僕の小説、これからもよろしくねっ!

菊地康之固有正弦波さんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年04月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。