米田淳一『鉄研でいず3』連載第2回作品情報&著者情報(『月刊群雛』2016年05月号掲載)


『月刊群雛』2016年05月号

『月刊群雛』2016年05月号には、米田淳一さんの小説『鉄研でいず3』連載第2回が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。




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作品概要


 女の子だらけの鉄道研究部の活動(鉄道模型作り・部誌作り・旅行)を通じて、彼女たちが高校生活を謳歌しながら、物語とは、セルフパブリッシングとは、そしてこの現代に生きていく意味を(実はまじめに)問う作品です。前回は鉄研のみんなで大洗へ旅行に! あんこう鍋うまし!


── 進級する鉄研を見つめる謎の視線の正体!

鉄研でいず3


前回までのあらすじ
 女の子だらけの鉄道研究部(鉄研)。彼女たちはこの部活を通じ、高校生活を謳歌しながら、物語ること、現代に生きていく意味を探っていきます。前回は鉄研のみんなで大洗へ旅行に! あんこう鍋うまし!

主な登場人物
3年生
長原ながはらキラ:『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など、口調がやたら特徴ある子。
葛城かつらぎ御波みなみ:国語と洞察力に優れた、アイドル並み容姿の子。密かに変態。
芦塚あしづかツバメ:模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。
武者小路むしゃのこうじ詩音しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。身体が弱くて高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。
中川なかがわ華子はなこ:鉄道趣味に特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。
鹿川かぬかカオル:超頭脳明晰で、鉄道会社のバイトでダイヤを組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。
2年生
大野おおのアヤ:模型鉄の子。詩音に匹敵するほどの雑誌掲載歴と技術を持つが、気配りにちょっと問題あり。
御門みかどマナ:鉄道趣味には珍しいコスプレイヤー。ネットにもどっぷりハマっている、オタクな子。
建部たけべカナ:鉄道趣味はほぼなかったけど、ハンサムなカオル『王子』に引き寄せられ入部する。後に、鉄道の音に聞き惚れる『音テツ』に進化。
兵庫県在住在学
田島たじまミエ:模型鉄。鉄研のない兵庫の高校に在学。総裁と旧知の友人。熱い鉄道愛とガルパン愛にあふれた子。


第2話・同じ血の子どもたち

「うむ、昼休みである」
 総裁は海老名高校近くのコンビニへ買い出しに来ていた。
「まさに新年度。我が海老名高校も新入生を迎え、ワタクシもいよいよ3年生。高校前のコンビニも新シーズンなのだな」
 まだ水を張っていない田んぼだらけの海老名高校前を、春風が吹き抜ける。
「今年の合格発表での胴上げ支援、なかなか胴上げし甲斐のある女子が多くてよかったのである」
 総裁は合格生の胴上げをする女子サッカー部に、『臨時レギュラー』という謎の扱いで助っ人として参加している。他にもあちこちの体育会系の部活の助っ人を掛け持ちし、その代わりにその部の部員たちを名目上の鉄研部員としている。部員数を稼いで生徒会に圧力をかけ、部活補助費と毎年の鉄道模型コンベンション準備のための作業場を確保するためだ。
 その策をその総裁の本名、長原ながはらキラの名をとって『キラノミクス』と呼んでいるのだから、さらに全くどうかしている。
「ここは一つ、コンビニ各社新作弁当の食べ比べをせむと思いけるのだな」
 総裁はコンビニを出て、パンパンに中身の詰まったコンビニ袋を両手に下げて、昼休みの学校に戻ろうとした。
「ぬ?」
 彼女が、なにかに気付いた。
「む、気のせいか」
 鋭い目で全周警戒をした総裁は、ふうとため息を吐いて、不安をかき消した。
「視線を感じた気がするのであるが」
 しばらく考えて、総裁はひとり納得した。
「暖かな花の季節、浮き立つ心にはこういうこともあるであろうか、の」
 そして、またコンビニ袋を下げて、学校に戻っていく。

※サンプルはここまでです。


作品情報&著者情報


米田淳一(よねた・じゅんいち)
米田淳一(よねた・じゅんいち)

── まず簡単にご案内。
(♫チャイム)
 みなさま、今日も『月刊群雛』をお読みいただき、ありがとうございます。
 ご案内いたします。このお話は『鉄研でいず3』です。
 作者はYONEDENこと米田淳一です。いつもお世話になっております。
 SF小説『プリンセス・プラスティック』シリーズで商業デビューしましたが、自ら力量不足を感じ商業ベースを離れ、シリーズ(全14巻)を完結させ、各電子書籍ストアで発表しながら、現在事務屋さんも某所でやっております。でも未だに日本推理作家協会にはいますし、また、鉄道模型なんかを作るモデラーなこともしています。
 今回の作品は、私の鉄道趣味の部分を突き詰めて、私の半生をすべてつぎ込んだ集大成的な作品です。趣味が前面に出ますが、その実、私が小説を書いたりセルフパブリッシングをする強い動機を訴える、まさに総力戦の作品です。久々に血吐くまでやろうと思っております。

── お話についてご案内申しあげます。
 このシリーズはもともと「小説家になろう」に投入した作品です。
 第1部『鉄研でいず! 女子高校生鉄道研究風雲録』は海老名高校(エビコー)に入学して鉄研を創部する新1年生から始まり翌年春までです。
 第2部『鉄研でいず! シーズン2』はその彼女たちが2年に進級し、後輩となる新1年生を迎えた新シーズンです。それぞれ13話構成で、各電子書籍ストアに単著として配本しています。
 また、月刊群雛にもスピンオフとして2015年12月号『6人の出張』と2016年02月号『もう一つのアスタリスク』で登場しています。
 この連載はそのシリーズの第3部になります。『もう一つのアスタリスク』は第3部のプロローグにあたります。
 さらに『カクヨム』で第4部にあたる『鉄研、バーズアウェイ!』を現在連載中です。
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054880601740

── 終わりに、次回へのご案内を申し上げます。
 この物語はエビコー鉄研部員と総裁の卒業後まで描く連載小説『鉄研でいず3』です。
 次回は、鉄研部員と新入生のテツ道をめぐる競争のお話になります。
 なにとぞお読み逃しのないよう、ご注意ください。

 今回もお読みくださいまして、ありがとうございました。
 (♫チャイム)
 と最後まで車内放送風味で(ヒドイっ)

米田淳一さんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年05月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。