NPO法人化1周年を記念して2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に!

日本独立作家同盟は5月26日、NPO法人化から1周年を迎えました。日頃のご愛顧とご助力に、心より感謝いたします。NPO法人化1周年を記念して、2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に値下げしました。ぜひこの機会に、過去の『月刊群雛』を振り返ってみてください。

神楽坂らせん『AIのメモリー』作品情報&著者情報(『月刊群雛』2016年05月号掲載)

『月刊群雛』2016年06月号

『月刊群雛』2016年06月号には、神楽坂らせんさんの小説『AIのメモリー』が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。




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※サンプルEPUBはBCCKSの詳細ページでダウンロードできます。



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作品概要


 ゴーストタウンの研究室で製造されたのは美女アンドロイド。彼女のAIに「心」はやどるのか? そして、外界と隔絶された環境で生活する若き製作者との間で揺れ動く感情はいったい?


── スリーピング・アンドロイドは愛を夢見る

AIのメモリー


【プロローグ】
 コールドスタート
 ビルトイン自己テスト開始……EAXレジスタゼロセット。
 基本入出力システム起動。
 メモリーチェック……OK。
 ハードウェア基礎チェック……OK。
 デバイスコントローラチェック……OK。
 ……。
 ……。
 …。

 数千に及ぶ項目が次々とチェックされ、〝彼女〟は徐々に目覚めていく。
 起動ステイタスログを見つめる〝彼〟は、彼女の電子的な意識が覚醒していくのを、まばたきも忘れて見入っていた。

 かつては世界最先端と讃えられた研究開発都市。都市基盤と財源を支えていた企業複合体コングロマリットが地上から消え去り、とり残された住人も我先にと逃げ出してのち、あるじの居ない人造物は徐々にくずれ、自然に還っていった。わずか数年でアスファルトはめくれあがり、コンクリートはひび割れ、外縁部は生い茂る緑に飲み込まれていく……。
 そんな都市の中央付近、自家発電だろうか、ただ一棟だけあかりが灯る建物があった。
 もはや訪れる人も居なくなっただろうエントランスの壁には、古ぼけたゴシック体で「サイバネティクスAI研究棟」と刻まれていた。

【目覚め】
「ダイアナ、僕が誰だかわかるかい?」

 音声クエリイベント発生。
 言語形態素解析システム起動。

# S-ID:1 JWKNP:14.2-ffabecc DATE:2028/01/03 22:16:20:020 SCORE:-13.16274
 ダイアナ、(P)─┐〈体言〉
      僕が(P)─PARA──┐〈体言〉
             誰だか──┐〈体言〉〈用言:判〉〈格解析結果:ガ/ダイアナ;ガ/僕〉
               わかるかい?〈用言:動〉〈格解析結果:ガ/誰;デ/-;ノ/-〉

* 1P 〈文頭〉〈人名〉〈読点〉〈体言〉〈係:連体〉〈並キ:名〉〈区切:0-1〉〈読点並キ〉〈並列タイプ:?〉〈並列類似度:1.258〉〈並結句数:2〉〈並結文節数:1〉〈名詞項候補〉〈先行詞候補〉〈SM-人〉〈SM-主体〉〈正規化代表表記:ダイアナ/だいあな〉
 ……
EOS.

 データベース接続…不良…スタンドアロンデータベース起動、参照OK。
 連想主格会得、認識。
 〝ダイアナ〟は人名であり、自己サイバネティクス・ハード固有名ユニークネームであることを認識。
 自己システムへの問いかけと認定。〝僕〟とは問いかけ主であると推論。

 音声形態素の解析をすすめつつ画像認識エンジン起動。ダイアナは美しい両の瞼を開く。
 頭部両側に二つ用意されている差動音波入力装置マイクロフォン=耳へ音声が到達した若干の時間差から問いかけの発声主の位置を算出し、第一から第七頸椎ジョイントにひねり動作を加え、声の主のほうへ顔面を向ける。
 眼球連係、入射光に合わせ絞り自動セット、対象へフォーカス。画像イメージ入力・瞳系からの画像情報を意味解析フィルタリング。
 対象は問いかけを繰り返す。
「僕が誰だかわかるかい?」
 彼女ダイアナは答えた。
「イエス、マイ・マスター……」

※サンプルはここまでです。


作品情報&著者情報


神楽坂らせん(かぐらざか・らせん)
神楽坂らせん(かぐらざか・らせん)

 ご無沙汰しておりました。神楽坂らせん / (かぐらざか・らせん)です。
https://plus.google.com/105106999084079383977/

 久しぶりに人工知能系のお話です。

 実を言うと私はあんまり言葉に敏感じゃないほうでして、自分で書いた文章に「表記ゆれ」が多い、と編集の皆さまからいつも指摘されちゃっていたのです。
 本人が気にならないので、そのまま出しちゃうのですね。悪い癖ですね。
 これではいけない! 編集さんの手を煩わす前に自分でなんとかしなくっちゃ! と、いうわけで、先日「表記ゆれチェッカー」という簡単なプログラムを作ってみたのです(自分の能力を上げるのではなく、結局コンピュータに頼っているわけですが)。
 もちろん、「作ってみた」なんて自慢気に書いていますけれど、難しい部分は京都大学の黒橋・河原研究室のホームページで公開されている「日本語形態素解析システムJUMAN」を利用させていただいています。私の作ったところは、JUMANさんの出力する日本語の形態素から似た言葉を探し、表記にゆらぎがないかチェックするだけの簡単なプログラムです(Google+の日本独立作家同盟コミュニティ公開しています)。
 で、今回、そんなプログラムを作りつつ、石頭のコンピュータに日本語を教えようと四苦八苦していた過程で、気がついてみればこのようなお話が出来上がってしまっていたわけなのです。
 人工知能と人類の共存なんていう小難しいテーマと、小難しい言い回しの雰囲気を味わっていただければ幸いです(読みにくくてすみません)。

 なお、作中に登場する人工知能の基礎の基礎は、このJUMANさんの出力をもとにしています。素晴らしいプログラムありがとうございます。
※「日本語形態素解析システムJUMAN」
http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/index.php?JUMAN

 そのほか、最新情報などは著者ランディングページ『らせんWORKS』を作ってありますので、そちらをご覧いただければ幸いです。

・『らせんWORKS』
http://rasenworks.tumblr.com/

らせんWORKS

※近況ご報告
 Windows用のテキストエディタ「秀丸エディタ」の小説書き向けガイドブックの続編をようやく公開いたしました。

・『秀丸で傑作を書く!①:基本操作&環境設定篇』
http://hidehon1.tumblr.com/
・『秀丸で傑作を書く!②:正規表現&アウトライン篇』
http://hidehon2.tumblr.com/

 いよいよ難関の正規表現です。難しかったあれやこれやを画像入りで丁寧に解説しています。執筆に直接関係ない? いえいえ、わかっているとこれまた便利なんですよ~。快適に傑作を書きたい方はぜひどうぞ♪

 また、今年の別冊群雛に載りました『ちょっと上まで』の続きと長編版も現在執筆中! こちらはまだ時間かかりそうですが、ゆっくり書き進めてます。乞うご期待♪

神楽坂らせんさんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年06月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。