米田淳一『鉄研でいず3』連載第3回作品情報&著者情報(『月刊群雛』2016年07月号掲載)

作品情報&著者情報
『月刊群雛』2016年07月号

『月刊群雛』2016年07月号には、米田淳一さんの小説『鉄研でいず3』連載第3回が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。

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作品概要

 女の子だらけの鉄道研究部の活動(鉄道模型作り・部誌作り・旅行)を通じて、彼女たちが高校生活を謳歌しながら、物語とは、セルフパブリッシングとは、そしてこの現代に生きていく意味を(実はまじめに)問う作品です。前回は新入部員が入り、ますます充実。だが、今回はその新入部員と部員がテツなバトルに突入!

―― 激闘! 鉄研部員対新入部員!

鉄研でいず3

前回までのあらすじ

 新年度、新学期。新入部員・梅花堂めいかどうマアムを迎えた女の子だらけのエビコー鉄研(鉄道研究部)。さっそく在校生の新2年生・新3年生部員それぞれの得意分野に、真っ向勝負を挑むマアム。そのバトルの行く末は! そしてエビコー鉄研の未来は!

登場人物のご案内

3年生
長原ながはらキラ:『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など、口調がやたら特徴ある子。
葛城かつらぎ御波みなみ:国語と洞察力に優れた、アイドル並み容姿の子。密かに変態。
芦塚あしづかツバメ:模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。
武者小路むしゃのこうじ詩音しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。身体が弱くて高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。
中川なかがわ華子はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。
鹿川かぬかカオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のアルバイトでダイヤや車両運用表を組んでいるIQ800の天授の才ギフテッド。同時にプロ将棋棋士を目指し奨励会所属。
2年生
大野おおのアヤ:模型鉄の子。詩音に匹敵する模型雑誌掲載歴があるほどの技術を持つが、気配りにちょっと問題あり。
御門みかどマナ:鉄道趣味には珍しいコスプレイヤー。ネットにもどっぷりハマっているさらにオタクな子。
建部たけべカナ:鉄道趣味はほぼなかったけど、ハンサムなカオル『王子』に引き寄せられ入部する。後に、鉄道の音に聞き惚れる『音テツ』に進化。アニメ声優っぽい声。
1年生
梅花堂めいかどうマアム:エビコー鉄研が迎える最強の新入生。現在鉄研の2年・3年生にバトルを挑んでいる。謎を秘めたハーフらしき女の子。「~であります」と話す。
他に
 顧問の小野川おのがわ先生・副顧問のだて先生・コーチの古川ふるかわさんの3名。
 警視庁ハイテク犯罪センターのたけカナコ警部:鉄研のみんなが関わった『アスタリスク事件』担当。
 ……うわ、ほんとすごく人数多い。ヒドイっ。

第3話・胸を貸す鉄研/疾風怒濤編

「うむ、マアムくん鉄研入部記念杯9番勝負、1年生マアムくんと2年生カナくんの音テツ対決なのである!」
 総裁が宣言する。
「……いつのまにそんなカップ名が」
「それについて、訓練統裁官たるワタクシとして」
 その言葉にみんな、息をのんだ。
「講評を述べたい」
 そこでみんなずるっとコケた。
「ええっ、音テツ対決のシーン、端折はしょっちゃうの?」
「うむ、テキストメディアでお送りしているこの物語で、音の聞き分けのビミョウな差を表現するのは無理がある上に、仮に表現を工夫しても読者に読解の負荷がかかる。そして、そもそも著者の文章表現力をワタクシは信頼しておらぬのだな」
「著者、バックれ疑惑……」
「うむ、とはいえ対決、対抗訓練は実施されたのであるな」
「これ、訓練なんだ……」「まさかの自衛隊式……」
「かねてよりワタクシの兄上が海上自衛隊護衛艦〈いずも〉勤務であり、そのシーマンシップ、水雷魂は大いに我が鉄研にも取り入れたいと心しておるのだな」
「それ、艦これの流行はやりに乗りたいだけなんじゃ……」
「勝負の内容は『発車放送メロディ・サイン識別』『車内放送識別』『車両走行音識別』であった」
「それが、発車放送だから駅メロディの識別で簡単だと思ったら、まさかの超早押しイントロドン! って、昭和すぎます! しかもメロディではなくブザーしか鳴らさない駅を環境音の違いから識別するとか!」
 そうツッコむみんなの前には、早押し判定ができるパーティー早押し機が置かれている。
「車内放送も早押しとか! それがさよなら列車の車内放送だと思ったら、それがどのさよなら列車の放送か、それも上り下りのどっちのさよなら列車かとか、わかりません!」
「走行音識別も、『カコン!』て音!」
「録音するマイクの雑音かと思ったらそれが電車の『開閉器』の動作音! 連接車特有のタタン、タタン、という単調なリズムのロマンスカーで限定し、作動時に音が鳴る開閉器を今唯一積んでるってことでロマンスカーLSE車と特定するとか、マニアックすぎます! ヒドイっ」
 みんなぶうぶう抗議する。
「しかし! カナくんと挑戦者マアムくんの回答は、カナくんブザー識別で相鉄線横浜駅を正解、マアムくん最終トワイライトエクスプレス新大阪到着放送を正解、最後の走行音開閉器動作音識別も両者正解。その結果、なんとまさかの延長戦に突入したのであるな」
「よくやるわよねえ」

※サンプルはここまでです。

作品情報&著者情報

米田淳一(よねた・じゅんいち)
米田淳一(よねた・じゅんいち)
―― 作品形態

 連載小説完成品(対象年齢15歳以上 『月刊群雛』掲載作品)

 作者:YONEDENこと米田淳一(いつもお世話になっております)
 SF小説『プリンセス・プラスティック』シリーズで商業デビューしましたが、自ら力量不足を感じ商業ベースを離れ、シリーズ(全14巻)を完結させ、各電子書籍ストアで発表しながら、現在事務屋さんも某所でやっております。でも未だに日本推理作家協会にはいますし、また、鉄道模型なんかを作るモデラーなこともしています。

―― 概要

 熱いバトルと、迫る別れの不安に立ち向かう鉄研!
 『鉄研でいず3 第3話・胸を貸す鉄研/疾風怒濤編』!
(今回は『マイクロエース』という鉄道模型メーカーの新製品予告テンプレート風味で)

【実物紹介】
 私がかつて在籍した海老名高校鉄道研究部は、「女の子だらけ」どころか男子ばかりでした。
 それでも顧問の先生の引率で山形県板谷峠(現在山形新幹線が通過するだけになってしまいました)への遠征や、大回り乗車(最低区間切符で最長距離を「大都市近郊区間のみを利用する場合の特例」を使って電車に乗るというテクニック)で千葉に行ったり、と、思い出作りに励んでいました。
 また毎年文化祭に鉄道模型を展示したり、部誌を発行。なかなかの活躍でした。
 しかしその鉄道研究部は私の卒業2世代後に後継者難のため、平成3年、惜しまれつつ廃部となりました。

【作品概要】
・『月刊群雛』掲載『鉄研でいず3』連載によるシリーズの更なる充実。
・かつて実在したエビコー鉄研の思い出と青春の{陰翳}(いんえい)を女子だらけの鉄研の形を借りて再現。
・私の鉄道趣味の部分を突き詰め、私の半生をすべてつぎ込んだ集大成として小説化。
・小説を書いたりセルフパブリッシングをする強い動機を訴える、総力戦作品。
・久々に血吐くまでやる覚悟で。
・鉄ネタ多数、バトルシーン多数、しんみりシーン収録。
・転生展開、無双シーン、ハーレム展開は、なし仕様。

―― 関連作品

 もとは「小説家になろう」に投入した作品です。
第1部『鉄研でいず! 女子高校生鉄道研究風雲録』
 彼女たちが海老名高校(エビコー)に入学して鉄研を創部する新1年生から始まり翌年春までを収録。
第2部『鉄研でいず! シーズン2』
 彼女たちが2年に進級し、後輩となる新1年生を迎えた新シーズン。
 以上、それぞれ13話構成で、各電子書籍ストアに単著として配本中。
スピンオフ
 『月刊群雛』掲載
 2015年12月号『6人の出張』
 2016年02月号『もう一つのアスタリスク』
その他
 『カクヨム』で第4部にあたる『鉄研、バーズアウェイ!』を現在連載中。
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054880601740

―― 次回予定品のご案内

 鉄研部員と新入生のテツ道をめぐる競争の結び!(予定品)

 『第4話・胸を貸す鉄研/海老名扇町決戦編』
・今回掲載分の続きを新規制作。
・続きとして、御波、華子、そして総裁とマアムのバトルの質の違いを表現。
・鉄ネタ多数・バトルシーン多数・しんみりシーン収録。

―― アフターサービス

 TwitterID:@YONEDEN か、この作品専用アカウント @ebi_tekke_n にお問い合わせください。
 がんばろう日本! がんばろう熊本!

―― でもなんでこんな作品情報に?

 ……さすがに企画の難易度上げすぎたかも。
 すみません、これ、鉄道模型の新製品情報の予告プレスリリース・ポスター風味にしたんです。
 でも、ねえ……。不評だったら次回からまた別の考えます(弱気)。

米田淳一さんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年07月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。

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