NPO法人化1周年を記念して2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に!

日本独立作家同盟は5月26日、NPO法人化から1周年を迎えました。日頃のご愛顧とご助力に、心より感謝いたします。NPO法人化1周年を記念して、2014年発行の『月刊群雛』電子版をすべて200円(税別)に値下げしました。ぜひこの機会に、過去の『月刊群雛』を振り返ってみてください。

神谷依緒『序章』作品情報&著者情報(『月刊群雛』2016年08月号掲載)

『月刊群雛』2016年08月号

『月刊群雛』2016年08月号の表紙イラストは、神谷依緒さんの『序章』です。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。




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※サンプルEPUBはBCCKSの詳細ページでダウンロードできます。



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作品概要


 未だに因習が残る古い村。
 倉庫に閉じ込められた鬼子を訪ねた少年が見たものは。

「今だから思う。あれは、始まりに過ぎなかったと」


── それは憎悪を糧に侵蝕する。

序章


 大人たちの目を盗み、俺は倉庫の扉を開けた。
 彼がここに閉じ込められてから、村では不幸が絶えない。信仰が深い大人は鬼神様のお怒りだと信じてやまないけれど、俺はそんなの信じるもんか。
 何年も使われていなかった倉庫の中はカビ臭く、半ば捨てられたように、錆びた斧や湿気た薪がそこかしこに置いてある。その一番奥で、年の近い少年が膝を抱えてうずくまっていた。
 こいつが村の誰からも嫌われているのは知っているけれど、何故ここに閉じ込められているのかはよく知らない。
 懐中電灯が眩しいのか、彼は不機嫌そうに顔を上げて俺を睨むと、心を見透かしたように尋ねてきた。
「……お前は、見えてないのか?」
 一瞬だけ、息が止まる。
 いもしない神様の祟りだなんて。
「僕とお前くらいの子供が何人も、村の方に行った。祟ってやる、祟ってやるって言いながら」
 ふと壁の汚れが目について、話から逃げるように灯りを照らしたのが間違いだった。

 一面の、赤。

 背後の壁には、赤い手形が無数に残っていた。



作品情報&著者情報


神谷依緒(かみや・いお)
神谷依緒(かみや・いお)

 『月刊群雛』の表紙を描かせていただくのも四度目になりました。
 得意というのはおこがましい気持ちでありますが、恐怖や憎悪を想起させる、じっとりした表情を描くのは笑顔よりも多いです。まさに、今回のテーマは好きな分野のひとつ。
 表現上掲載は厳しいと思い、残念ながら無数の手形は外させていただきましたが、サイトやpixivにて手形付きを掲載できればなと思います。

◆pixiv
http://pixiv.me/slightlycrow

◆サイト:『幻想録』
http://blackbirth.nomaki.jp/

 怖い絵を描くのはもちろん好きなのですが、実はホラー、特に映像作品は苦手です。
 大きな音と共に怖い顔が画面いっぱいに出てくるといった、びっくりさせられる演出が、同じ「怖」でもミステリーやサスペンスより多いからでしょうか。
 小説なら音で驚かされることもないので、個人的にホラーは小説で読むに限ります。
 なのに時々、怖いもの見たさで映像やゲームを見たくなってしまうから、人並みにホラーも好きなのだと思います。

 暑い日がまだまだ続きそうですが、麦茶を片手に、こわーいお話とイラストで涼しんでいただければ幸いです。
 読んだ後は後ろを振り返ったり、画面を凝視してみたりすると、何かがいるかもしれませんよ。


神谷依緒さんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年08月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。