芦火屋与太郎『我が国王』作品情報&著者情報(『月刊群雛』2016年08月号掲載)


『月刊群雛』2016年08月号

『月刊群雛』2016年08月号には、芦火屋与太郎さんの小説『我が国王』連載第2回が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。




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作品概要


 オーストリアにある、シュレージエン地方。ある日、プロイセンによって奪われてしまう。
 オーストリアはフランスと手を組み、奪還する計画を立てた。
 その保険として、オーストリアはマリー・アントワネットを差し出し、ルイ十五世の息子、ルイ・オーギュストと結婚をさせた。
 母であり、女帝と言われた、マリア・テレジアの指示によって。
 フランスのヴェルサイユ宮殿は、マリー・アントワネットを歓迎する。だがすぐに、ルイ十五世の愛人、バリー夫人と敵対。それを遠巻きに見て楽しむ、フランス貴族達。
 指定されたドレスを着ない。夫は子作りをしない。
 マリー・アントワネットは、周りから認められず、人気は落ちていく。
 そんなある日、自分の事を悪評するビラに、こんな文章が載っていた。
「貴族の女は夜、マリー・アントワネットになる」
 ヴェルサイユ宮殿に、はびこる古いしきたりをなくし、自分で考案したファッションで、再び人気を得ようと、立ち上がった。


── ファッションで、私は認められるんだ。

我が国王 第2回


 シャルルへ。この部屋の中にも、陽の光が入ってきました。もう外は、朝を迎えているのでしょう。
 さっき書いた、あなたへ送る手紙を読み返しました。当時の心境がよみがえります。同時に、まだ伝えたい事が沢山あり、もう一通書く事に決めました。
 あの頃は、今に比べたらなんと幸せな日々だったか。
 天国にいる母、マリア・テレジアは、死刑宣告された私、マリー・アントワネットをどう思っているのでしょう。
 やはり私には、荷が重すぎたと思っているのでしょうか。
 
 私が一歳の時、祖国オーストリアが、プロイセンからシュレージエン地方を奪還するため、犬猿の仲だったフランスと、手を組む事になりました。
 その保険として、ルイ十五世の息子、ルイ・オーギュストと、私が結婚する事になったのです。マリア・テレジアの指示でした。
 十四歳の時、オーストリアのハプスブルク家を代表して、ヴェルサイユ宮殿に入りました。そして、フランス貴族の方々の前で、堂々とフランス語で挨拶をしました。みなさん、温かい拍手で迎えてくれたのです。
 ですが、それは芝居だと、後になって気づきました。
 グランコールを着ないだけで怒られました。
 ルイ十五世には、バリー夫人という愛人がいます。マリア・テレジアから、ルイ十五世に好かれるようにと言われましたので、ライバルだと決めました。
 それを知ったフランス貴族達は、遠巻きに私とバリー夫人の対決を見て、楽しんでいました。まるで見せ物になったようで、悲しい気持ちになりました。
 それに、ルイ十五世がバリー夫人を溺愛しているのです。私の方を向いてくれないのです。
 夫のルイ・オーギュストは、子作りをしてくれません。跡継ぎが産まれないと、この国に認められないというのに。
 悪い事が重なり、私の人気は急落していきました。
 現実から逃れようと、パリにある酒場や劇場、賭博場に足を運ぶようになりました。平民達はまだ、私を歓迎してくれます。 
 ですが、ここもヴェルサイユ宮殿と同じ。私の前ではいい顔をしますが、いなくなると、悪評のビラを書いては街中にまくのです。
 それはパリだけではなく、ヴェルサイユ宮殿にも。私を嫌う貴族が、見せびらかすために、わざわざ持ってくるのです。
 ですが、そのビラの一つに目が留まりました。
「貴族の女は夜、マリー・アントワネットになる」 
 フランスの貴族には、オーストリアの軽装なドレスが新鮮に見えたそうです。
 私は閃きました。

※サンプルはここまでです。


作品情報&著者情報


芦火屋与太郎(あしかや・よたろう)
芦火屋与太郎(あしかや・よたろう)

── まず簡単に自己紹介をお願いします
どうも、芦火屋与太郎(あしかや・よたろう)です。
 代表作は、『親分はガリバルディ』。群雛文庫から『夢を継ぐ』です。今はこの二作品しかありません。これから少しずつ増やしていこうと思います。
 お待たせしました。というか、半年以上も空けてしまい、申し訳ございませんでした。
2015年、12月30日。鷹野編集長は、「群雛はこれから、切磋琢磨し、みんなでさらなる高みを目指す。次のステージへ進みます」
 と、宣言されました。
 この時点で、第一話は2016年01月号
に載せてもらいました。
 第二話も投稿していました。ですが、「次のステージ」に進むには、レベルの低い内容でした。
 そこから、パソコンとにらめっこする日々。
 どこを直して、どこを工夫すれば、より良い作品に仕上がるのかと、考えながら執筆していました。
 気づけば半年も経っていました。自分としては、「次のステージ」に進めたと思えるまでに、仕上がった作品だと思います。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
藤本ひとみさんです。今回参考のマリー・アントワネットの人物像などに、参考にさせてもらいました。
 他にも、マリア・テレジアや、ヨーロッパで活躍した歴史上の人物を、小説にしています。お薦めです!

── 最後に、読者へ向けて一言お願いします
 月刊群雛は、08月号をもって休刊となりました。あと一話あるのですが、それは別の場所で、発表できればと思います。制作チームのみなさん、お疲れさまでした。そして、本当にありがとうございました。また会う日まで!

芦火屋与太郎さんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年08月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。