群雛に参加しよう(2) ― ゼロからおしえる群雛のはじめかた ― hatching primer 第5章

ノウハウ・ハウツー
ゼロからおしえる群雛のはじめかた ― hatching primer

NPO法人日本独立作家同盟の電子雑誌『月刊群雛』に、作家と編集両方の立場から関わることになった波野發作(なみの・はっさく)氏が、『月刊群雛』への参加方法について優しくかみ砕いたガイドを寄稿してくれました。短期集中連載第7回は、「群雛に参加しよう(2)」です。

第5章 群雛に参加しよう(2)

インタビュー記事を書こう

『月刊群雛』の特徴として、作品のあとに作者のインタビューが用意されている。インタビューといっても、編集スタッフが何か取材をしてくれるわけではない。予め決められた質問のテンプレートに、自分で答えて原稿を作るだけだ。テンプレートは群雛ポータルに用意されているので、そこからコピペしてくればよい。

質問の内容は、大きく分けて「作品に関する必須項目」、「著者に関する必須項目」、「作品に関する任意項目」、「著者に関する任意項目」の4つがある。

最初の2つは必須項目なので、全部回答する必要がある。インタビューというよりも、プロモーションに必要な、作品とあなた自身の基礎データだからだ。

作品の項目で注意するのは2点。1つはタイトルが12字以内ということ。4章でも言ったので大丈夫と思うが、確認しておこう。もう1点は「梗概」について。4章で書いた梗概は自分向けなので、オチまで全部書いてあるはずだ。ここで提出するものは、プロモーションで先行して公開するものなので、当然オチは伏せよう。もちろんミスリードを演出したっていいだろう。

著者の項目はそのまま書けばいいのだが、作品の紹介にストアのURLを載せてしまうと、審査で蹴られてしまうケースがある。3章でも言ったように自分のランディングページを用意しておき、そのURLを載せるようにしよう。あらかじめあればいいが、まだ用意してないのであればこのタイミングでやってしまおう。簡単なもので構わない。あとで時間ができてからじっくり作り込めばいいのだ。

任意項目の2つは、全部答える必要はないので、どれか1つずつあればいい。まあ、だいたいは全部回答するけどね。各項目200字までなので、そんなにいろいろ書けない。読者が親しみを持てるように軽いことを書いてあげればいいだろう。

ここまでの内容はWordあたりでちゃちゃっと書いておけばいい。当然作品とは別ファイルだ。ファイル名には誰の何月号向けのものなのかわかるようにしておけば、編集長がラクをできるぞ。たとえば「群雛インタビュー2015年09月号波野發作.docx」みたいにね。拡張子は半角で頼むよ。

実はこのインタビュー記事はプロモーションにも使われるので、手抜きは得策ではない。本文よりもよほど人目に触れるものだと思っていた方がいい。書くのが苦手なんで、なんていう人も中にはいるかもしれないが、物書きになろうって雛が物を書かないでどうするというね。むしろ本文よりも気合いを入れて書こうじゃないか。回数を重ねるとつい前回と同じものを、という感じになりがちだが、読者は気づく。似た内容でも少しずつでも変えて、生きていることをアピールしよう。

著者画像を作ろう

『月刊群雛』ではインタビューページの最初に、著者近影を貼ることになっている。自分の写真でももちろんいいが、まあだいたいはなんらかの絵とかイラストを使っている。

ここで絶対に注意するのは、著作権を侵害する画像はNGということだ。孫悟空の画像に目線を入れるとか言語道断だが、ちょっとグレーな感じでも編集長が却下するので、迷惑をかけないためにも完全OKなものを使おう。

自分で描いていればもちろんOK。あとお友達絵師が描いてくれたんでも当然OKだ。プロに頼んで大金積んで専用に描いてもらってもいい。描いてもらったイラストを使う場合は、誰に描いてもらったのかをインタビューに書いておくと、お互いハッピーだ。パブリックドメインの画像を使うのも当然アリだ。Google+のプロフ画像をそのまま使うんでもOK。画像サイズは500pix四方以上のサイズを用意しよう。形式はJpegで。ファイル名に作者名を入れておくのはもうわかってるよね。

画像はどんなんだって構わないけれど、毎回用意するのはなんだかんだで面倒なので、どうせなら長く使うものを用意しておこう。ぼくは山東京伝の悪玉の絵を使っているけれど、本来ならマンガチックな似顔絵の方がいいのだろう。アイコン詐欺とののしられようと、作家とは妄想を売る商売だ。別にいいじゃないか。リアルに会ったときにがっかりさせるのも含めてすべてがインディーズ作家なんだぜ。ということで、『月刊群雛』では作者近影は「萌えアイコン」推奨だッ。俺もそのうち誰かに描いてもらおうっと。

原稿を送ろう。人それを入稿という!

さぁさぁ。そこまで準備ができたなら、いよいよ入稿だ。以前も少し触れたが、原稿を編集部に送りつけることを専門用語で「入稿」と言うのだ。覚えておこう。作者にとっては緊張の一瞬だ。だが、ちょっと待ってくれ。時間に余裕があるのなら、ここでフライトチェックをしよう。

もう一度、群雛ポータルの参加要項を確認しよう。たまに変更されることもあるから、最新の情報を見直しておこう。フィクション作品ならあまり関係ないが、ノンフィクション作品の場合は、事実関係を確認できる資料が必要だ。参考にしたURLのリストなんかも用意しておこう。

フライトチェックのリストを作ってみた。参考にしていただければ幸いである。

提出するものは3つだ。

①作品原稿

□ 文字数は規定内か
□ 推敲はできたか(再入稿はできないぞ)
□ 誤字脱字はチェックしたか
□ 独自の固有名詞は、キャラ表と一致しているか
□ 最後の〈了〉を忘れていないか

②インタビュー原稿

□ タイトルは12字以内か
□ ペンネームは字が間違っていないか
□ 必須項目は揃っているか
□ 任意項目は1つずつ以上あるか
□ 各項目は200字以内か

③プロフィール画像

□ 著作権的に問題はないか
□ 500pix四方より大きいか

3点がそろったら、編集部へ送ろう。送り先は群雛ポータルに書いてある。@を半角に書き換えて送り出そう。メールのタイトルには「月刊群雛○月号」「ペンネーム」「原稿一式」などを含めるとスムーズだ。たとえば「波野發作・月刊群雛9月号・原稿一式送ります」なんて感じ。ファイルはまとめて圧縮してもいいが、サイズは小さいのでそのまま添付でいい。

ちなみに当然だが、データの保存は編集部では保証していない。送ったからもう捨ててもいいということはないので、自分の作品はちゃんと管理しよう。

ちなみに『月刊群雛』の掲載順は、この入稿時点での先着順になっている。募集時点の順番ではないので覚えておこう。

さて、これで一仕事終わったと思ったら大間違いだ。むしろここからが勝負だ。気を抜かないで最後までがんばろう。ちなみにこのあと編集部でチェックが終わるまで10日から2週間はブランクがあるので、焦らず待っていよう。時間がかかっているからといって、あなたの原稿に時間がかかっているとは限らない。編集スタッフはいつでも人手不足なのだ。

〈続く〉

[posted by 波野發作

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