ミコロフ爺さんと介護アンドロイド少年の静かな生活は、デジタル考古学者マコトの乱入で激変する。ミコロフしか扱えない古いプログラム言語を収集したいという彼の行動は、老人と少年の“秘密”を暴き出していく……。NovelJam 2017 海猫沢めろん賞作品。
老人とプログラム言語
古いプログラム言語を操る老人と、介護アンドロイドの秘密とは……
「世界中の滅びたデジタルの遺産を探している」「そんなことに意味があるのかね」
「俺は外の人間だ。外から来て、空白を埋めて、帰る。それでいいと思っている」
「あの子を外に連れて行ってくれないか」
――突然現れたデジタル考古学者マコトと、ずっと一緒にいたミコロフ爺さんの会話。介護アンドロイドの少年は、部屋の外でそれを聞いた。
古いプログラム言語の仕事を、細々と請け負うミコロフ爺さんただ一人が入居者の老人ホーム。アンドロイドの少年は爺さんと二人、静かに過ごしていた。そんな暮らしが、“外の世界”から来たマコトの乱入で激変する。刺激に満ちた“外”の情報、疑問にも思わなかった、爺さんに発注される“仕事”の真相。珍しいプログラム言語を収集しているというマコトの行動は、爺さんと少年の日常を壊してしまうのだが……。「行け。お前には外の世界がある」――これは老人にそう告げられ、少年が外に旅立つまでの、とある物語。
【NovelJam 2017 海猫沢めろん賞】
コメント
コメントを投稿